日本医科大学 2010年 入試解答速報 [CVX-化学発展演習 日記]
こんにちは~ (*^_^*)/
C3VXは難関医学部化学発展演習講座
なので、入手できた医学部入試問題の正確な解答速報をしたいと思います。
本日1月31日に平成22年度 日本医科大学の入試がありました。
試験時間は2科目で120分です。
第Ⅰ問 は小問集合で、下線部の正誤および謝っている場合は修正させる問題です。
(1) 原子の陰性と電子親和力 陰性が大きいほど電子親和力が大きい
(2) 14族元素・鉛の性質 Pbは典型元素で、4価イオンは酸化剤になる
(3) アルカリ土類金属と水の反応 水はCaに対して酸化剤として作用し水素が発生
(4) Al,Cuの金属結晶 共に面心立方格子で単位格子に4個の原子を含む
(5) 硝酸の性質 硝酸は還元作用をもたない。また、光で分解してNO2を生じる
(6) ミョウバンの結晶 正八面体の結晶で1価と3価イオンの硫酸塩の複塩
(7) NaHCO3の性質 酸性塩で水溶液は塩の加水分解により塩基性
(8) 水の電離平衡 水の電離は吸熱反応で、高温で水のイオン積は大きくなる
(9) 親水コロイド 多量の電解質を加えると塩析する
(10) フェノールの配向性 置換されやすく、臭素と2,4,6-トリブロモフェノールを白沈
・コメント:(4)の金属結晶の構造や(6)のミョウバンの結晶型は盲点になりやすい。
ただし、これらは高校教科書にも記載されている内容で、
他大学でも類題がしばしば出題されているので、チェックしておきましょう。
第Ⅱ問 は水の状態図に関する問題です。
問1 図上の点a 三重点,b 常圧下での沸点,c 臨界点 を漢字で答えさせる問題
問2 a,bの絶対温度を整数で答えさせる問題 (a 273.16K,b 373.15K)
問3 状態変化(1) 融解,(2) 蒸発 を漢字で答えさせる問題
問4 状態変化に伴う体積変化をグラフから選択させる問題
・コメント:どれも基本的な問題なので、全て正解しなければならないと思います。
最後のグラフ選択の中で、三重点を同温下で状態変化したものは
自分で図を書いてから選択した方が間違いが少ないでしょう。
第Ⅲ問 硫酸銅(Ⅱ)水溶液(A)と食塩水(B)の電気分解の問題です。
問1 Aの陰極生成物質の化学式 Cu
問2 Aの陽極の反応物の化学式 H2O
問3 電流の強さ Aの陰極の質量増加が0.96gより、0.96÷64=0.015molのCu析出。
流れた電子は0.015×2=0.030molなので、
電気量は96500×0.030=2895C。
通電時間64分20秒=3860秒より、電流は2895÷3860=0.75A。
問4 Bで発生した気体の25℃での体積 塩素0.015mol,水素0.015molの合計0.30mol
よって、求める体積は0.030×22.4×298/273≒0.73L
問5 陽イオン交換膜で仕切られたBの陰極側の質量変化
Na+ 0.030molが移動してくる。 +23×0.030g
発生して失われる水素0.015mol -2.0×0.015g
よって、23×0.030-2.0×0.015=+0.66g
問6 Bの陽極に炭素電極を用いる理由(記述・句読点を含み30字以内)
酸化反応が起こるので鉄電極では鉄が陽イオンとして溶出するため(30字)
問7 Bの陰極側のpHの変化
Bの陰極側の溶液の体積を300mLとすると 時間が1/10 1/2 1(64分20秒)
のときのpHは、それぞれ 12.0 12.7 13.0 となり(ク)より(ケ)が適当
・コメント:計算問題は基本的なものばかりだが、問5には注意が必要です。
問6の記述では、陽極は酸化反応が起こる電極なので、イオン化傾向が特に
小さい金と白金以外の金属は、全て酸化されて陽イオンになって溶出する
ことを確認しましょう。
第Ⅳ問 四酸化二窒素と二酸化窒素の均一気相反応における化学平衡の問題です。
問1 n molの四酸化二窒素を入れ、平衡になったときの四酸化二窒素の溶解度をα1としたとき
四酸化二窒素の平衡時の物質量 n(1-α1) mol
問2 問1の平衡時の二酸化窒素の物質量 2nα1 mol
問3 問1で四酸化二窒素が分解する前の圧力をPとしたとき
平衡時の四酸化二窒素,二酸化窒素の分圧をn,α1,Pで表す
平衡時の全圧 P1=(1+α1)P
四酸化二窒素の分圧=n(1-α1)/n(1+α1)×(1+α1)P=(1-α1)P
二酸化窒素の分圧=2nα1/n(1+α1)×(1+α1)P=2α1P
問4 平衡時の全圧 P1
解離前の圧力が2Pとなるので P2=2(1+α2)P
問5 容器の容積を半分にした時の圧力変化
付表として、
Pが100kPa,200kPa,300kPaの時の解離度αの値が与えられているので、
100kPaと200kPaの解離度から、全圧の比を求めればよい。
(1+0.121)×200kPa/(1+0.166)×100kPa=1.92 より 1.9倍
・コメント:問5は問6のヒント問題。問6で表が使えれば、計算自体は簡単です。
ちなみに、表がないと平衡定数から計算するので、とっても難しい問題となります。
第Ⅴ問 芳香族化合物の分離実験に関する問題です。
アニリン,安息香酸,ニトロベンゼン,フェノールと芳香族炭化水素ウを分離します。
問1 分子量が106の芳香族炭化水素ウの分子式
ベンゼンがC6H6で分子量78なので、残りは28でCH2が2つ分
よって、C8H10
問2 問1の芳香族炭化水素の異性体の数
エチルベンゼン,o,m,p-キシレンの4つ
問3 分離実験の操作
操作① 水層に1つだけ分離する = c HClでアニリンを塩アにした
操作② 中性物質と酸性物質を分離 = a NaOHで酸を塩にした
操作③ 酸を分離する = d 二酸化炭素でフェノールを遊離した
操作④ 芳香族炭化水素ウを酸エにする = e KMnO4で側鎖の酸化
問4 それぞれの化合物の構造式
(ⅰ) ア アニリン塩酸塩
(ⅱ) イ ニトロベンゼン
(ⅲ) ウ エチルベンゼン
(ⅳ) エ 安息香酸ナトリウム
(ⅴ) オ フェノール
問5 ニトロベンゼンの還元反応の化学反応式
ニトロベンゼンの還元 C6H5-NO2 + 6e-+7H+→C6H5-NH3++2H2O
錫(スズ)の酸化 Sn → Sn4++4e-
よって、2C6H5-NO2 + 3Sn+14HCl →2C6H5-NH3Cl + 3SnCl4 +4H2O
問6 塩化鉄(Ⅲ)で呈色するものとその色
オ(フェノール) 紫
問7 ニトロベンゼンとエチルベンゼンの沸点の差が大きくなる理由
(5) 極性,(8) 電気陰性度,(9) 分子間力
ニトロベンゼンは共鳴(ニトロ基とベンゼン環の共役)により、
ニトロ基の酸素が負に、ベンゼン環のo,p位が正に帯電し、
分子間力が大きい。水素結合は陰性の強いハロゲンやO,Nと結合した
水素によるもので、ニトロベンゼンのO,P位のHには当てはまらない。
・コメント:高校では、ニトロベンゼンは水に不溶性の無極性物質として扱っている場合が多い
が、共役により極性があり沸点が高くなっています。ニトロベンゼンの還元反応の式は、
作ることが出来るようにしましょう。
日本医科大学は例年、教科書レベルの基本問題をベースに出題する大学です。
したがって、ケアレスミスなどによる失点を極力減らして高得点を獲得する必要があります。
今回の試験では、医学部受験生としてミスをして良い問題は見あたりません。
満点を目指してもらいたいと思います。
ちなみに
本問題の詳しい解説授業は、2月2日に啓明舎(御茶ノ水)にて行う予定です。
C3VXは難関医学部化学発展演習講座
なので、入手できた医学部入試問題の正確な解答速報をしたいと思います。
本日1月31日に平成22年度 日本医科大学の入試がありました。
試験時間は2科目で120分です。
第Ⅰ問 は小問集合で、下線部の正誤および謝っている場合は修正させる問題です。
(1) 原子の陰性と電子親和力 陰性が大きいほど電子親和力が大きい
(2) 14族元素・鉛の性質 Pbは典型元素で、4価イオンは酸化剤になる
(3) アルカリ土類金属と水の反応 水はCaに対して酸化剤として作用し水素が発生
(4) Al,Cuの金属結晶 共に面心立方格子で単位格子に4個の原子を含む
(5) 硝酸の性質 硝酸は還元作用をもたない。また、光で分解してNO2を生じる
(6) ミョウバンの結晶 正八面体の結晶で1価と3価イオンの硫酸塩の複塩
(7) NaHCO3の性質 酸性塩で水溶液は塩の加水分解により塩基性
(8) 水の電離平衡 水の電離は吸熱反応で、高温で水のイオン積は大きくなる
(9) 親水コロイド 多量の電解質を加えると塩析する
(10) フェノールの配向性 置換されやすく、臭素と2,4,6-トリブロモフェノールを白沈
・コメント:(4)の金属結晶の構造や(6)のミョウバンの結晶型は盲点になりやすい。
ただし、これらは高校教科書にも記載されている内容で、
他大学でも類題がしばしば出題されているので、チェックしておきましょう。
第Ⅱ問 は水の状態図に関する問題です。
問1 図上の点a 三重点,b 常圧下での沸点,c 臨界点 を漢字で答えさせる問題
問2 a,bの絶対温度を整数で答えさせる問題 (a 273.16K,b 373.15K)
問3 状態変化(1) 融解,(2) 蒸発 を漢字で答えさせる問題
問4 状態変化に伴う体積変化をグラフから選択させる問題
・コメント:どれも基本的な問題なので、全て正解しなければならないと思います。
最後のグラフ選択の中で、三重点を同温下で状態変化したものは
自分で図を書いてから選択した方が間違いが少ないでしょう。
第Ⅲ問 硫酸銅(Ⅱ)水溶液(A)と食塩水(B)の電気分解の問題です。
問1 Aの陰極生成物質の化学式 Cu
問2 Aの陽極の反応物の化学式 H2O
問3 電流の強さ Aの陰極の質量増加が0.96gより、0.96÷64=0.015molのCu析出。
流れた電子は0.015×2=0.030molなので、
電気量は96500×0.030=2895C。
通電時間64分20秒=3860秒より、電流は2895÷3860=0.75A。
問4 Bで発生した気体の25℃での体積 塩素0.015mol,水素0.015molの合計0.30mol
よって、求める体積は0.030×22.4×298/273≒0.73L
問5 陽イオン交換膜で仕切られたBの陰極側の質量変化
Na+ 0.030molが移動してくる。 +23×0.030g
発生して失われる水素0.015mol -2.0×0.015g
よって、23×0.030-2.0×0.015=+0.66g
問6 Bの陽極に炭素電極を用いる理由(記述・句読点を含み30字以内)
酸化反応が起こるので鉄電極では鉄が陽イオンとして溶出するため(30字)
問7 Bの陰極側のpHの変化
Bの陰極側の溶液の体積を300mLとすると 時間が1/10 1/2 1(64分20秒)
のときのpHは、それぞれ 12.0 12.7 13.0 となり(ク)より(ケ)が適当
・コメント:計算問題は基本的なものばかりだが、問5には注意が必要です。
問6の記述では、陽極は酸化反応が起こる電極なので、イオン化傾向が特に
小さい金と白金以外の金属は、全て酸化されて陽イオンになって溶出する
ことを確認しましょう。
第Ⅳ問 四酸化二窒素と二酸化窒素の均一気相反応における化学平衡の問題です。
問1 n molの四酸化二窒素を入れ、平衡になったときの四酸化二窒素の溶解度をα1としたとき
四酸化二窒素の平衡時の物質量 n(1-α1) mol
問2 問1の平衡時の二酸化窒素の物質量 2nα1 mol
問3 問1で四酸化二窒素が分解する前の圧力をPとしたとき
平衡時の四酸化二窒素,二酸化窒素の分圧をn,α1,Pで表す
平衡時の全圧 P1=(1+α1)P
四酸化二窒素の分圧=n(1-α1)/n(1+α1)×(1+α1)P=(1-α1)P
二酸化窒素の分圧=2nα1/n(1+α1)×(1+α1)P=2α1P
問4 平衡時の全圧 P1
解離前の圧力が2Pとなるので P2=2(1+α2)P
問5 容器の容積を半分にした時の圧力変化
付表として、
Pが100kPa,200kPa,300kPaの時の解離度αの値が与えられているので、
100kPaと200kPaの解離度から、全圧の比を求めればよい。
(1+0.121)×200kPa/(1+0.166)×100kPa=1.92 より 1.9倍
・コメント:問5は問6のヒント問題。問6で表が使えれば、計算自体は簡単です。
ちなみに、表がないと平衡定数から計算するので、とっても難しい問題となります。
第Ⅴ問 芳香族化合物の分離実験に関する問題です。
アニリン,安息香酸,ニトロベンゼン,フェノールと芳香族炭化水素ウを分離します。
問1 分子量が106の芳香族炭化水素ウの分子式
ベンゼンがC6H6で分子量78なので、残りは28でCH2が2つ分
よって、C8H10
問2 問1の芳香族炭化水素の異性体の数
エチルベンゼン,o,m,p-キシレンの4つ
問3 分離実験の操作
操作① 水層に1つだけ分離する = c HClでアニリンを塩アにした
操作② 中性物質と酸性物質を分離 = a NaOHで酸を塩にした
操作③ 酸を分離する = d 二酸化炭素でフェノールを遊離した
操作④ 芳香族炭化水素ウを酸エにする = e KMnO4で側鎖の酸化
問4 それぞれの化合物の構造式
(ⅰ) ア アニリン塩酸塩
(ⅱ) イ ニトロベンゼン
(ⅲ) ウ エチルベンゼン
(ⅳ) エ 安息香酸ナトリウム
(ⅴ) オ フェノール
問5 ニトロベンゼンの還元反応の化学反応式
ニトロベンゼンの還元 C6H5-NO2 + 6e-+7H+→C6H5-NH3++2H2O
錫(スズ)の酸化 Sn → Sn4++4e-
よって、2C6H5-NO2 + 3Sn+14HCl →2C6H5-NH3Cl + 3SnCl4 +4H2O
問6 塩化鉄(Ⅲ)で呈色するものとその色
オ(フェノール) 紫
問7 ニトロベンゼンとエチルベンゼンの沸点の差が大きくなる理由
(5) 極性,(8) 電気陰性度,(9) 分子間力
ニトロベンゼンは共鳴(ニトロ基とベンゼン環の共役)により、
ニトロ基の酸素が負に、ベンゼン環のo,p位が正に帯電し、
分子間力が大きい。水素結合は陰性の強いハロゲンやO,Nと結合した
水素によるもので、ニトロベンゼンのO,P位のHには当てはまらない。
・コメント:高校では、ニトロベンゼンは水に不溶性の無極性物質として扱っている場合が多い
が、共役により極性があり沸点が高くなっています。ニトロベンゼンの還元反応の式は、
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したがって、ケアレスミスなどによる失点を極力減らして高得点を獲得する必要があります。
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