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ヨウ素デンプン反応とヨウ素滴定指示薬 [CVX-化学発展演習 日記]

こんにちは~ (*^_^*)/

さて、日曜日ということで今日が受験日の大学が多かったようです。
その中で、少し気になった問題をひとつ・・・・

「濃度未知の過酸化水素水10.0mLに硫酸酸性のヨウ化カリウム水溶液を加えてヨウ素
 遊離させた。
 この水溶液にデンプン水溶液を指示薬として1~2滴加え、チオ硫酸ナトリウム水溶液
 を滴下した」

という頻出のヨウ素滴定の問題です。
ここで、注意したいのは、当量点(反応の終点)前後の色の変化です。

 ヨウ素滴定の指示薬として「澱粉(デンプン)」を使用します。
「デンプン」は、そのラセン構造にヨウ素分子を吸着して呈色するので、ヨウ素分子の
有無を確認できます。当量点まではヨウ素分子が存在するため呈色しますが、当量点を
越えると全てヨウ化物イオンとなるため呈色せず無色となるので、反応の終点を確認
できるのです。
「デンプン」は「水溶性のアミロース」と「水に不溶なアミロペクチン」の2つの成分
で構成されています。
「アミロペクチン」は、枝分かれのある構造で、水を加えて加熱すると粘りけが出て
デンプン糊」になります。餅米は「アミロペクチン100%」なので、お餅はあんな
に粘るんですよね。
「アミロース」は、枝分かれのない直鎖のデンプンで水溶性です。
南方系のお米は「アミロース」を多く含むため、パサパサしているのです。


・キーワード = ヨウ素澱粉反応(iodo-statch reaction)
 ヨウ素分子が澱粉のラセン構造に吸着されて生じる「デンプン-ヨウ素複合体」による
 呈色反応です。

 アミロース = 長いラセン構造を持ち、ヨウ素との結合が強く呈色は青色になります。
 アミロペクチン = 分岐が多くラセン構造が短いため結合が弱く赤紫色を呈します。


ヨウ素滴定では、水に不溶性のアミロペクチンと水溶性のアミロースのうち、不溶分を
濾過して上澄み液のアミロースを使用します。
したがって、ヨウ素滴定での色の変化は、「青色から無色」であって「紫色から無色」では
ないのです。

身近なところで実験するには、片栗粉を水に溶いて、そこにイソジンのうがい薬をいれて
みると、上澄み液の部分が青く、沈澱している部分は赤みがかった紫色に見えるはずです。

入試では意外なところに盲点があったりするので、気になるところは必ず辞書等で確認
すると良いですよ。
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