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春期講習 添削課題4 (c) pHジャンプと指示薬 [C3J-東大化学 日記]

こんにちは~ (*^_^*)/

個人的には春期講習も一段落して一息・・・・というところですか。
先日までの寒の戻りから一転して、昨日は暖かい[晴れ]一日でした。

さて、
知は力なり(Ipsa scientia potestas est)」となりと言いますが、まさに記述問題では知識の差が如実に得点差として表れます。
C3J添削課題4の問題(c)
塩酸をNaOHで中和滴定した時に使用するpH指示薬」と
酢酸をNaOHで滴定した時に使用するpH指示薬」の選定に関する記述
では、指示薬の変色域pHジャンプ(pH飛躍)の関係がポイントになります。
指示薬(HInで表す)自身も、弱い酸または塩基で、
(酸性の色)HIn ⇄ H + In(アルカリ性の色)
の平衡が存在し、色の変化が肉眼で認められる範囲は指示薬の色調によって異なりますが、
おおよそ 10 > (酸性色の濃さ)÷(アルカリ性色の濃さ) > 0.1 とされ、
酸型とアルカリ型を示すpHの間隔はおよそ2となります。
その間では、酸性型とアルカリ性型の濃度の比に応じた中間色を示します。
この中間色の範囲が変色域で、その中心はpKHInです。

pHが1の強酸10mLをpH13の強塩基で滴定した場合、

09-酸・塩基-309-滴定曲線-2.gif

のような滴定曲線となります。
この滴定曲線の中で、中和点の前後で急激にpHが変化している部分がpHジャンプ(pH飛躍)です。pH指示薬は、その変色域がpH飛躍(pHジャンプ)の範囲内にあるものを選択する必要があります。

pHジャンプ(pH飛躍)が起こる理由は、
pH(水素イオン指数)対数だからです。

下図に明らかなように、当量点に近づくほど、単位滴下量あたりのpHの変化が大きくなります。

09-酸・塩基-309-滴定曲線-の.gif

0.10mol/Lの塩酸10mLを0.10mol/LのNaOH水溶液で中和滴定すると、約8.2mL滴下したところで濃度が10分の1の0.010mol/Lになりますが、その10分の1の0.001mol/Lにするには1.6mLの滴下でよく、さらにその10分の1にするには0.18mLの追加で済みます。
このように、pHが1変化するのに要するNaOH水溶液の滴下量は、当量点(中和点)に近づくほど小さくなるため、滴定曲線の傾きは中和点でほぼ垂直(無限大)になるのです。

定量分析の実験手順と注意点,操作の意味は、
図解とフローチャートによる定量分析(技報堂出版) にフローチャート付きで詳しく記載されています。東大で頻出の実験に関する記述対策として、受験生にもぜひ購入して貰いたいシリーズ本です。
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コメント 1

nanashi

誠に勝手ながら、レポートの参考にさせていただきました。
とても参考になりました。ありがとうございます。
by nanashi (2012-10-08 17:39) 

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