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塩基性塩の水溶液の液性 [C3J-東大化学 日記]

こんにちは~ (*^_^*)/

 本日は、ある大学の入試問題から、の水溶液の液性について 考えてみましょう。

 には、

酸性塩 = 水素イオンH+の残っている塩  NaHSO4 など

塩基性塩 = 水酸化物イオンOHや水素イオンと反応する酸化物イオンO2-が残っている塩   CaCl(OH) など

正塩水素イオンH+水酸化物イオンOHや水素イオンと反応する酸化物イオン O2-も残っていない塩  NaCl など

があります。このうち、塩基性塩の水溶液の液性について考えてみましょう。酸性塩については、また別の機会にまとめます。

塩基性塩には、アルカリ土類金属の塩とそれ以外の塩があります。

・アルカリ土類金属の水酸化物は強塩基水酸化カルシウムCa(OH)2水酸化ストロンチウムSr(OH)2水酸化バリウムBa(OH)2水酸化ラジウムRa(OH)2

なので、

アルカリ土類金属の塩基性塩 = 100%電離して強塩基性水溶液になる

       CaCl(OH) → Ca2+ + Cl- + OH- 

アルカリ土類金属以外の塩基性塩 = 塩の加水分解により水酸化物を生じて酸性水溶液になる

      CuCl(OH) + H2O → Cu(OH)2 Cl- H+

より厳密に考えれば、第二段階の電離定数K2と、第一段階の電離定数K1で水のイオン積Kwを割った値(加水分解定数Kb)を比較すべきですが、入試問題では無視して良いでしょう。

また、水酸化物は一般に溶解度積Kspが小さいため、塩を高濃度に溶解させると水酸化物の沈澱が生じる場合があります(特に三価の金属塩は低濃度でも三価の水酸化物が析出)。

例えば、 酢酸アルミニウムAl(CH3COO)3は、水に溶かすと水酸化アルミニウムAl(OH)3が沈澱する為、水溶液は酸性となります。

追申

 MgCl(OH)水溶液が塩基性を示すという実験が、高等学校の化学部によって行われました。実際の実験データがPDFとして掲載されています。ネット上では、水酸化マグネシウムは強塩基、という記事さえ出ていますね。水酸化物の電離定数のデータが出てくればスッキリするのですが、いかんせん、水酸化物はアルカリ金属のを除いて溶解度が小さい為、実験しづらいのでしょう[ふらふら]


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コメント 2

グリニャール

追伸に書いてある高校の実験の話ですが、リンク先を確認するとMg(OH)2の話であって、 MgCl(OH)ではないみたいですよ
by グリニャール (2012-09-13 13:52) 

梧桐鳳翼

(*´∀人) ご指摘ありがとうございます♪

どうやらリンク先が変わってしまったようです・・・・
内容が、ブログを書いたときのものとは違っています σ(´Д`★)ポリポリ

原文(本文又はタイトル)を引用しておけば良かったですね(A;´ 3`)
by 梧桐鳳翼 (2012-09-14 01:49) 

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