献血 と 酸化還元滴定の指示薬 [C3J-東大化学 日記]
こんにちは~ (*^_^*)/
仕事の合間に献血してきました。この献血ルームには毎月のテーマがあるみたいですね。
前回(3月)に行った時は、初音ミクさん() でしたが、
今回は鉄道模型でした。() 鉄道が趣味の方は、模型鑑賞のついでに献血されては如何でしょうか。
さて、献血と言えば注射。注射と言えば消毒。消毒と言えばポピドンヨード。
という訳で、消毒薬として用いられるポピドンヨード(日本では明治製菓のイソジンで知られていますね)。これは赤褐色の液体で、採血管を刺すところに塗ります。
こんな感じです。肌の色が被さるので、単独の色がお見せできないのが残念ですが、ご家庭にあるうがい薬のイソジンとまったく同じものですので、現物をコップに入れて見てもらえれば良いでしょう。
こうやって消毒したところへ採採血管の針を刺して静脈から血を抜き取ります。
さて、ここで消毒薬に使われているポ ピドンヨードに注目してみましょう。消毒殺菌の主役はヨウ素です。ヨウ素は分子量が254の二原子分子の単体で、分子量が大きく無極性なので、単体はほとんど水に溶けません(ヘキサンなどの有機溶媒には溶けて紫色の溶液になる)。
ヨウ素を水に溶かすためには、ヨウ化カリウムなどの溶解補助剤を加える必要があります。ヨウ化物イオンがあると、ヨウ素分子はI2 + I− I3−の反応で赤褐色の三ヨウ化物イオンとなって水中に分散して溶解するのです。うがい薬のイソジ ンにも赤褐色の三ヨウ化物イオンが含まれるので、褐色の溶液になっているのですね。
酸化還元滴定の内、ヨウ素滴定で使われるヨウ素溶液は、正確には赤褐色の三ヨウ化物イオンが溶けているヨウ素ヨウ化カリウム水溶液です。
I2 + I− I3−の平衡と分配平衡を織り交ぜた入試問題が慶應で出題されていますので、学習が進展している人はチャレンジしてみましょう。
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