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ヘリウムと水素ガスの浮力 [CVX-化学発展演習 日記]

こんにちは~ (*^_^*)/

 ついに5月となりました。化学発展演習講座C3VXも3回目になりました。今回は、演習問題のうち、大問Ⅴの②の記述について解説しましょう。

 第3回の演習Ⅴ②                                                              飛行船で、浮力を生み出す気体に水素ガスとヘリウムガスを用いた場合を考える。同じ重さを持ち上げるためには、必要な体積(同温・同圧)はどちらがどれだけ多く必要とするか?簡単に推論しなさい。

ここで注意したいのは、この問題でつかう"浮力"という言葉の意味は、物理で考える浮力(物体が存在する事によって排除した物体の体積分の気体または液体の質量)とは違うことです。この問題では、あくまで(持ち上げられるものの重さ)=(気体の体積)×(空気と気体の密度の差)について考えています。

 空気の平均分子量を29とすると、標準状態(0℃,1atm=101.3kPa)での空気の密度は約1.3g/Lです。1Lの気体があれば、気体が押しのけた空気の質量は1.3gですから、物理で考える浮力は1.3gとなりますが、この問題では、その(気体の質量を空気の質量から差し引いた差)が(気体1L当たりで持ち上げる事の出来る重さ)と考えます。

 気体1L当たりの質量(g)は密度(g/L)です。密度を使った理想気体の状態方程式は、PM=dRT(Mは気体のモル質量,Pは圧力)なので、同温,同圧下では、P/RT = d/M =一定 という関係があります。ここから、気体の密度はモル質量(分子量)に比例する事が分かれます。

空気の平均分子量は29,水素H2の分子量は2,ヘリウムHeの分子量は4なので、気体1molあたりで持ち上げられる重さは、水素は29-2=27g,ヘリウムは29-4=25gとなります。

したがって、必要なヘリウムの量は水素に対して27÷25=1.08倍となります。

浮力問題として2004年大阪大学前期 のヘリウムと石油ガスを入れた2つのゴム風船を繋いで中立させる入試問題をぜひ解いてみて下さいね。


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