鉄はヒッタイトじゃなかったの? [CVX-化学発展演習 日記]
こんにちは~ (*^_^*)/
第5回の演習問題では、イオン化傾向と冶金の関係についての記述がありました。
・人類に最も古くから見いだされ用いられてきた金属は金であるといわれている。その理由をイオン化傾向に着目して答えよ。
B.C.50Cのエジプトの金器が出土しているほどです。銅器はB.C.40C,鉄はB.C.20Cのヒッタイトが最初だと言われてきました。イオン化傾向の小さい金属は、岩石中に単体として存在している為、高度な冶金技術は必要なかった為、製錬技術が未熟な太古から、単体を使うことが出来たと考えられます。それに対してイオン化傾向が大きいアルミニウムは、地殻中に多量に含まれるにもかかわらず、単離されたのは1827年であり、ホール・エルー法(ホールにより設立されたAlcoa社)より大量生産されたのは19世紀も終わり頃です。
さて、先に書いた「ヒッタイトと鉄」に関して、こんな記事がありました。
中近東文化センター トルコに考古学博物館開館へ (宮田奈津子)-産経新聞
カマン・カレホユック遺跡の「カレ」は城塞(じょうさ い)、「ホユック」は遺丘を意味する。首都アンカラの南東約 100キロ、アナトリア地域中央部に位置する。この地域は、印欧語 族によるヒッタイト帝国の中心地とされる。ほかにもアッシリ ア、ギリシャやローマなど数々の文明が栄え、“文明のゆりかご”とも呼ばれる。
同研究所では1985年から、紀元前1400~1200年 に栄えたヒッタイト帝国滅亡後の約400年間「暗黒時代」に焦点をあて、発掘を続けてきた。暗黒時代は、歴史的・文化的に軽視されたり、史料の少なさから解明されていない部分が多かったが、これまでに高度な都市文明 の遺構が発見されている。
また、昨年にはヒッタイト帝国以前、紀元前2千年ごろの鋼片が発見さ れた。ヒッタイト帝国繁栄の背景には鉄製造の技術があったと され、帝国滅亡後は製鉄技術が周辺に分散したことから、“鉄器時代の幕開け”につながったともいわれる。「鉄=ヒッタイト」というのが一般的学説だったが、これを覆す発見として注目された。
---------------------------------------------------(記事より一部抜粋)
「ヒッタイトが、強度に優れた鉄を持っていた為に、世界帝国をつくることができた」と思っていましたが、どうやら、それをひっくり返すような発見がなされているようですね。古代史は、発掘技術の進歩などによって、これまで常識とされてきたことが、ドンとぶちこわされることが多々あり、興味が尽きません。
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