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電気自動車を見てきました(日産のLEAF) [科学技術]

こんにちは~ (*^_^*)/

銀座の日産ギャラリーに行ってきました(たまたま通りかがっただけですが)。本日の展示車は、日産初の量産型電気自動車LEAFです。モーターショー用のコンセプトカーと比べて、市販用にコスト面も含め色々と工夫されていておもしろかったですね。

さて、 化学屋として最も関心があるのは、昨年の東大でも出題されたリチウムイオン電池です。有望視されていた燃料電池車ですが、燃料となる水素の取り扱いの困難さ(分子が小さいので漏れやすく、また金属中に浸透するので鋼鉄中の炭素と結合して鉄を脆くしたりするなど)や爆発限界の広さ(空気中4.0~75%の範囲なら爆発)による危険性(衝突事故などでタンクが破損して水素が漏洩し引火爆発する可能性)などがあるため、リチウムイオン電池が高性能になった今となっては、インフラの整備が簡単な蓄電形の電気自動車の方が実用化に一歩先んじた形ですね。

さて、これがリチウムイオン電池バッテリーセル(手前)とバッテリーモジュール(奥)です。LEAFには48個のバッテリーモジュールが搭載されているとのことでした。

RIMG0755-リチウムイオン電池.gif

これがバッテリーセルです。これが入試で扱うリチウムイオン電池1個分に相当します(昨年2010年の東京大学のリチウムイオン電池問題の解説はこちら[ひらめき])。薄型のラミネート構造(薄膜を重ねた構造)になっています。ちなみに、リチウムイオン電池保管・消耗について、詳細に調べた(色々と情報を収集した)HPがありましたので、参考までにリンクしておきますね。

RIMG0751-リチウムイオン電池のバッテリーセル.gif

 バッテリーモジュールは、バッテリーセルを4つまとめたものです。これをどかっとまとめてケースに入れたところが、こちらのHPに特集されていますで、興味のある方はどうぞ。

 RIMG0755-リチウムイオン電池のバッテリーモジュール.gif

さて、ガソリン車ハイブリッド車ならエンジンルームに当たる部分がこちらです。「真ん中に鎮座しているのがモーターか?」と思いきや、単なるインバーターだとか。デザイナーの遊び心で、エンジンっぽい見かけにしたそうです。ま、タイヤにも組み込めるくらいコンパクトなモーターを、わざわざタイヤから離れた位置に置くのは、機械的にはあり得ないことですものね。

RIMG0766-エンジンに見せかけたインバーター.gif

そして、電気自動車に必要不可欠な充電コネクター。2つあるのは、外出時の急速充電用(専用の充電スタンドが必要ですが約30分で充電できる:左側)と家庭用200Vの普通充電用(プラグを差すコンセントはエアコンなどの旧来の200Vコンセントとは共有できず、これ専用のコンセントを取り付ける必要があり、充電時間は約7時間(欧米は240Vなので6時間でOKとか):右)。つまり、充電ケーブルを2本持ち歩けってことですね。

RIMG0769-フロントの電源コネクタ.gif

最後に、始動スイッチですが、う~ん、電気自動車にしかあり得ないスイッチですねぇ。

RIMG0777-スイッチ類.gif  

ちなみに、 ガソリン車では定速運転の方が燃費が良かったですが(かつて乗っていたGT-R(R32)は横浜市内の渋滞で2.5km/Lを記録しましたが東名高速では10km/Lに迫る勢いだったと思う)、回生ブレーキで減速時に発電するため、ブレーキをかける機会が多い方が走行距離が伸びる傾向があるとか。また、ガソリン車のようにエンジンの廃熱をヒーターとして利用できないため、冬のヒーターは夏のクーラー以上に電気を消耗して、走行距離を減じてしまうようですね。「コンセントから充電している間に、携帯電話から暖房や冷房の指示が出せるので、充電中に車内温度を適温にしておくと良いですよ」とのことでした。

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