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東京女子医科大学 2010年度 入試解答速報 [CVX-化学発展演習 日記]

こんにちは~ (*^_^*)/

昨日に引き続き、本日2月1日の医学部東京女子医科大学です。

前半がマーク,後半が記述という独特のスタイルで、化学の全範囲からもれなく出題しています。
分量は多めですが、標準レベルの問題が多いので、高得点が可能です。
C3VXを受講する諸君には、全問正解を目指して貰いたいですね。

問題Ⅰ 理論化学から高分子化合物までの小問集合です。
   問1 イ    化学反応式と物質量,分子量についての問題です(重水と軽水)。
   問2 コ    蒸気圧に関する基本問題です。蒸気圧降下について確認しておきましょう。
   問3 イ    ボイルの法則,シャルルの法則のグラフ問題です。
解説
 イの変化
   同体積で圧力が増加し、その後、体積増加と反比例して圧力が減少
 オの変化
   同体積で圧力が増加し、その後、体積減少と反比例して圧力が増加
 問題文では「体積を増加させながら・・・・」と明記されているため、イが正解です。

   問4 ケ    遷移元素の最外殻電子,放射性同位体による絶対年代測定など
   問5 ウ    水の生成反応を使った結合エネルギーの計算問題です。
   問6 ウ    触媒による反応速度の変化をグラフで確認する問題です。
   問7 コ    C5H12Oの異性体の数問題です。
   問8 サ   ハロゲン及び塩素のオキソ酸についての問題です。
   問9 ア   結合による結晶の性質の違いについての正誤問題です。
   問10 エ   糖類についての問題です。
     注意したいのは、「環状構造のグルコースには還元性がない」ことです。
   問11 オ   油脂についての問題です。
     「複合脂質」について出題されています。リン酸や糖と結合した脂質のことです。
   問12 ウ   タンパク質の構造についての問題です。
      一次二次三次四次構造の違いをしっかり覚えておくことです。
   問13 ケ   タンパク質の等電点と陽イオン交換樹脂の問題です。
      酸性アミノ酸と塩基性アミノ酸の等電点についてもう一度確認
      しておきましょう。
・コメント:一部に分かりにくい設問がありますが、選択肢から判断できます。
     問12については、
 選択肢②について
  生体内で同じ一次構造をもつタンパク質が発現されても,ほとんどのタンパク質
  では高次構造を形成するためには分子シャペロン(酵素の一種)がエネルギー(ATP
  の加水分解)を使って,タンパク質をフォールディングしないと同じ三次構造にはな
  りません。
  例:同じ一次構造をもつβ-アミロイドのフォールディング異常によって起こる
    アルツハイマー病などが
  しかし、問題文では「生体においては一次構造が決まれば三次構造が決まる」
  と記述されているだけで、「一次構造が勝手に三次構造になる」とは述べて
  いません。
  「生体において」という表現が、「酵素などの助けを借りて」とも読み取れる
  からです。また、
  「生体において」という表現は、当然「正常な生体内において」の意味と取る
  のが自然であり、「アルツハイマー病」などの病理現象は問題文の「生体」に
  おける反応に当てはまらないと考えられます。
  「一次構造が三次構造を決定する」ことは、例えば「レニンジャーの新生化学
  第二版」の上巻にも記述されており、「アミノ酸配列が三次構造を決定する」
  との表現が小項目のタイトルとして使用されており、また、「モリソンボイド
  有機化学 第6版 下巻に於いても、同様の表記があります。
  したがって、生物受験者であっても、問題文の表記だけで②を誤りとすること
  は無いのではと思われます。よって、②は正しいと考えます。

 選択肢⑤について
  タンパク質の二次構造の形成に関わる相互作用は水素結合のみですが,三次構造
  や四次構造の形成には、水素結合,イオン結合,共有結合、ファンデルワールス
  力が関わっています。
  したがって,水素結合はタンパク質が高次構造を形成するときに,二次構造、
  三次構造、四次構造ともに関係しているので,「立体構造の保持には水素
  結合が重要である」という記述に誤りはないと思います。しかし、
  問題文の「立体構造の保持には水素結合が重要」の表記に於いて、、「水素結合も」
  であれば「他の結合とともに水素結合も」という意味に取れるので何の違和感も
  ありませんが、「水素結合が」という表記は「他の結合は重要ではない」とも解釈
  できますね。微妙なところです。
 取りあえず、ウ を正解の第一候補とします。


問題Ⅱ 酸化還元滴定の実験問題。そういえば、今日2月1日試験だった北里大学の薬学部も
  過マンガン酸カリウムによるCODの測定実験を出題していましたね。
   問14 オ   過マンガン酸カリウムとシュウ酸の化学反応式を完成させる問題です。
   問15 エ   中性溶液中での過マンガン酸カリウムの反応生成物を求める問題です。
   問16 オ   実験で反応溶液を温める理由を質問しています。
   問17 エ   当量点での色の変化を質問しています。
   問18 ア   簡単な滴定計算です。
   問19 コ   過マンガン酸カリウムで滴定出来るものを選択させています。
・コメント:酸化還元滴定は頻出ですから、色の変化も含め、実験の手順も覚えておきましょう。

問題Ⅲ 弱酸の電離平衡緩衝溶液についての問題です。
   問1 ア CAα2/(1-α)   イ 1    ウ √(Ka/CA) エ √(Ka×CA)
       オ CA          カ CB   キ  (CA×Ka)/CB
   問2 2.7    電離度0.010と酢酸の濃度0.20mol/LからpHを求める簡単な問題。
   問3 強塩基を加えた時の酢酸と酢酸ナトリウム溶液の緩衝作用を説明する記述問題
     解答 強塩基を加え水素イオンを減少させると、未電離の酢酸がたくさん存在するため、
     CH3COOH ⇄ CH3COO + H の平衡が右に移動して水素イオンを補充するため、
    水素イオン濃度の減少量は小さく抑えられる。
・コメント:電離平衡の超基礎的な問題なので満点が取れなくてはいけない。

問題Ⅳ ベンゼンの二置換体についての問題で、芳香族を勉強していれば得点できます。
   問1 c サリチル酸   f 無水フタル酸   h アセチルサリチル酸(アスピリン)
   問2 ① (エ) ② (ア) ③ (イ)
   問3 c,d,e,h
   問4 ア
   問5 フタル酸やテレフタル酸を結晶として析出させる時、塩酸を加える理由を記述させる問題
     解答 
  ・溶液を強酸性にして,フタル酸のカリウム塩からはフタル酸を,
   テレフタル酸のカリウム塩からはテレフタル酸を遊離させるため。
     別解として、
  ・酸化生成物は弱酸のカルボン酸塩であり、強酸性の水溶液中では遊離されて
   水への溶解度も小さくなるので、生成物をできるだけ多く析出させるため
・コメント:実はこの問題の記述では、反応開始物質の化合物a,bがキシレントルイル酸
     区別できません。しかし、過マンガン酸カリウムで側鎖を酸化するので、結果は同じです。

問題Ⅴ 合成高分子の基本問題
  問1 (ア) 重合     (イ) 単量体 または モノマー    (ウ) 縮合重合 または 縮重合
     (エ) 付加重合   (オ) ホルムアルデヒド 
     (カ) イソプレン または 2-メチル-1,3-ブタジエン
     (キ) 二重結合 または 炭素間二重結合  (ク) 網目 または 三次元網目
  問2 b,d
  問3 n CH2=CH(OCOCH3) → [-CH2-CH(OCOCH3)-]n   示性式による表記
・ コメント:付加重合と縮合重合全般とゴムについての問題です。計算はないので、
    簡単に整理しておけば充分でしょう。


このブログで速報した問題と解答は、リンク先にまとめて掲載する予定です。
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