合成ゲノムで生きた細菌が生まれた [CVX-化学発展演習 日記]
こんにちは~ (*^_^*)/
医学部入試では、生命と物質の分野で、かなり突っ込んだDNAや蛋白質などの話が出てきます。物理,化学選択であっても、やはり医学部を目指すからには、生物について常識レベルの知識は知っておくべきでしょう。生物と言えば、遺伝ですが、先日、人工的に細胞をつくったという記事がありましたね。
合成ゲノムで生きた細菌 米チーム作製成功、「人工生命」近づく技術
【ワシントン=共同】2010年5月21日 朝刊
人工的に合成した細菌のゲノム(全遺伝情報)を別の細菌の細胞に組み込み、生きた細菌を作ることに成功したと、米国のクレイ グ・ベンター博士が率いる研究チームが20日付の米科学誌サイエンス(電子版)に発表した。作製したのは、遺伝情報として約100万個の塩基対を持つ「マイコプラズマ・ミコイデス」という細菌とほぼ同じゲノムを持つ細胞。チームは、ミコイデスのゲノムの設計図を基に1000塩基対程度の短い情報を持ったDNAの断片を化学的に合成。さらに、DNA断片を大腸菌や酵 母菌に組み込んでつなぎ合わせ、完全なゲノムを合成した。次に「マイコプラズマ・カプリコルム」という別の細菌を特殊な液体に入れて本来のゲノムを失わ せ、そこに合成ゲノムを移植。カプリコルムの細胞内で合成ゲノムが働き始め、細胞の自己複製が始まった。
ウイルスを人工的に作った例はあるが、ゲノムがより複雑な細菌での成功は世界初という。細胞膜や細胞内の物質は人工合成していないため完全な「人工生命」ではないが、その実現に近づく画期的技術といえる。チームは今後、バイオ燃料を製造したり、有害物質を分解したりする有用な微生物作製を試みたい としている。
----------------------------------------------(記事より抜粋)
人工細胞というと、「日本鎖国 ベクシル」を思い出しますね。しかし、ウィルスはすでに人工的に作られていたんですね そちらの方が驚きでした。
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まだまだゲノムには未知な部分が多いので、狙った性質を持つ細胞を得るのは難しいでしょうし、さらに環境へどのような影響を与えるかまったく不明なので、開発には十分注意してもらいたいと思います。
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こちらはYouTubeで見つけた「HIVなどのウィルスに対する薬物治療がどのように行われるのか、ウィルス増殖のメカニズムから分かりやすく説明している動画」です。YouTubeには、こういった科学系の映像も多くアップされているので、興味がある人は探してみると良いでしょう。
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