「あかつき」飛翔!! [科学技術]
こんにちは~ (*^_^*)/
ついに「金星」への旅が始まりました。 「あかつき」打ち上げです。金星は、地球とほぼ同サイズの岩石型惑星ですが、大気圧が約90気圧もあり、強力な温室効果により気温は400℃~500℃に達します。
JAXAの「金星大気の謎に挑む~金星探査機PLANET-C~」Movie
JAXA「あかつき」特設サイトもぜひお出でませ(=^▽^=)
宇宙航空研究開発機構が開発した日本初の金星探査機「あかつき」を搭載したH2Aロケットが5月21日午前6時58 分、鹿児島県の宇宙機構種子島宇宙センターから打ち上げられた。
ロケットは約27分後にあかつきを予定通りに分離して軌道に投入。あかつきと相乗りした、微弱な太陽光を薄い膜で受けて動力にする宇宙ヨット技術の実証機「イカロス」、大学や高専が製作した小型衛星4個も順次分離、軌道投入され、打ち上げは成功した。
あかつきはこの後、約5億2千万キロを飛行して12月に金星付近に到達、最終的には金星表面から300~8万キ ロの長い楕円の周回軌道に入る。機器の性能確認の後、観測を2年以上続ける予定だ。
多様な波長で調べられる特殊カメラなど観測機器を駆使し、主に硫酸でできているとされる厚い雲の詳しい成分や、 秒速約100メートルになる暴風の発生メカニズムなど、金星の気象の謎に迫る。打ち上げ費用を含め、開発費は約252億円。
日本の惑星探査は火星を目指した1998年の「のぞみ」以来だが、のぞみは打ち上げ後に機器のトラブルが続いて 2003年に軌道投入を断念した経緯があり、あかつきには初の惑星探査成功への期待もかかる。
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ところが、その後のニュースによると、相乗り衛星4機のうち、UNITEC-1(相乗り衛星として地球重力圏を離れ、金星に向かって打ち出される世界初の複数の大学が共同で開発した深宇宙衛星),WASEDA-SAT2(早稲田大学がQRコードの撮影実験・学生などへの画像提供・パネル展開による姿勢安定の実証実験を目的に開発)およびK-SAT (鹿児島大学人工衛星開発部会が集中豪雨予測を目指した大気水蒸気分布観測実験・マイクロ波帯高速通信による地球動画撮影・超小型測位衛星のための通信基礎実験のために開発)の3機が行方不明になっているとのことです。
UNITEC―1は金星を目指し、他の2機は地球のまわりを周回するはずだったのですが、3機の超小型衛星からの信号が受信できず、音信不通とのこと。
各相乗り衛星の格納状態は、こんな感じです(JAXA-HPより転載)
※ WASEDA-SAT2、大気水蒸気観測衛星、Negai☆″はJ-POD(JAXA Picosatellite deployer)に格納,搭載されています。 今回、行方不明になった3機のうち、2機がこのJ-POD搭載だったのは、気になるところですね。もう1機のNegai☆″は健在が確認されているのでしょうか?相乗り衛星の分離は、下記の手順によります(JAXA-HPより転載)
種子島宇宙センター大型ロケット発射場第1射点より打ち上げられたH-IIAロケット17号機は、太平洋上を飛行し、固体ロケットブースタ(SRB- A)、衛星フェアリング、第1段を順次分離します。引き続いて、第2段エンジン第1回目の燃焼後、J-POD搭載の小型副衛星3基(Negai☆″、 WASEDA-SAT2、大気水蒸気観測衛星)を順次分離します。その後、第2段エンジン第2回目の燃焼後に金星遷移軌道上であかつきを分離します。さら に、ロケットは慣性飛行を続け、PAF900M(あかつき分離部)、IKAROS、UNITEC-1を順次分離します。
----------------------------------------------------(JAXA-HPより転載)
あかつきとIKAROSは順調に推移しているようですが、その前後に分離されたWASEDA-SAT2、大気水蒸気観測衛星K-SATおよびUNITEC-1が音信不通なのは何故でしょうか?とにかく、無事を祈ります。
さて、打ち上げに成功した金星探査機「あかつき」は、観測用のカメラで地球の撮影に成功しています。こちらは、順調なようですね。
21日に鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた「あかつき」は、金星に向かう軌道に入り、順調に飛行を 続けています。地球の画像は、「あかつき」に搭載された観測用のカメラが正常に動くか確認するため、打ち上げ14時間後に地球から25万キロの位 置で撮影したもので、23日に3枚が公開されました。赤外線カメラでとらえた白黒の画像は、地球の表面の温度分布を温度の高い部分を白で表し、 漆黒の宇宙の中に丸い小さな地球が浮かび、あかつきが徐々に地球から遠ざかっている様子が見てとれます。また、紫外線カメラなどで地 球の大気の様子を撮影した画像も公開され、地球の昼の部分に赤や青で色が付けられ、幻想的な世界を醸し出しています。「あかつき」のプロジェク トの責任者宇宙航空研究開発機構の中村正人さんは、「金星の到達までは、登山で言えばまだ1合目で、油断せずに運用を続けたい」と話 しています。「あかつき」は、順調にいけば、ことし12月ごろ、金星に到着する予定です。
---------------------------------------------------------(記事より転載)
こういったイベントがあると、関連書籍が読みたくなるのは好奇心の塊である人間の性でしょう。というわけで、以下に、関連のお薦め書籍をピックアップしました。
ロケットと宇宙開発 決定版 (Gakken Mook 大人の科学マガジン別冊)
- 作者:
- 出版社/メーカー: 学習研究社
- 発売日: 2009/07
- メディア: ムック
トコトンやさしい宇宙ロケットの本 (B&Tブックス―今日からモノ知りシリーズ)
- 作者: 的川 泰宣
- 出版社/メーカー: 日刊工業新聞社
- 発売日: 2002/08
- メディア: 単行本
- 作者: あさり よしとお
- 出 版社/メーカー: 学習研究社
- 発売日: 2004/02
- メディア: 単行本
- 作者: あさり よしとお
- 出 版社/メーカー: 学習研究社
- 発売日: 2008/04/03
- メディア: コミック
- 登場人物はがらりと替えられていますが、ストーリー的には(2)巻の焼き直しです。ただ、記事の内容は(2)巻を補完するものなので、そういう面では役に立つでしょう。
- 作 者: 植松 努
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2009/11/05
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 作者: 柴田 一哉
- 出版社/メーカー: 大日本絵画
- 発売日: 2005/08
- メディア: 単行本
- 月ロケットの原型がドイツの報復兵器V2だったように、こういった技術開発は戦争によって発達するのが現実の姿です。兵器開発では「世界一ではなく2番目ではダメなのか」はあり得ない発想です。
- なお、秋水の他にも、ロケット機関を積んだ「桜 花」があります。桜 花は、米軍に接収された実機がスミソニアン博物館に展示されています。
- 作者: クルト マグヌス
- 出版社/メーカー: サイマル出版会
- 発売日: 1996/03
- メディア: 単行本
- ソ連(現ロシア)が、先端技術の習得に血眼になっている姿が、よく分かります。欲しいモノを手に入れる為には手段を選ばず、火事場泥棒的な日ソ中立条約の破棄と満州・千島への侵略(その時多数の婦女子が暴行されています),ポツダム宣言に背いた明確な違法行為のシベリア抑留(死者34万人以上)など、本来なら日本政府は「北方領土返還」を迫る以前に、声高に抗議すべきでしょう。Chinaの捏造「南京大虐殺」の様な作り話ではなく、これはロシア側の資料にも明らかな事実なのですから・・・・
悪代官と宇宙ロケットのチャイナ―引き裂かれた「人民中国」の光と影 (洋泉社ペーパーブックス)
- 作者: 富坂 聰
- 出版社/メーカー: 洋泉社
- 発売日: 2006/06
- メディア: 単行本
相乗り衛星の1つの無事が確認されたそうです。
※ 相乗り衛星ハヤトは無事 鹿児島大、電波受信に成功(2010.6.2)
(http://sankei.jp.msn.com/science/science/100602/scn1006021300006-n1.htm)
5月21日にH2Aロケットで打ち上げられ、所在不明になっていた相乗り小型衛星「ハヤト」(KSAT)の電波の受信に、鹿児島大の西尾正則教授(55)らの開発チームが成功したことが2日、分かった。西尾教授によると、鹿児島大に設置したアンテナで1日午後9時ごろから2日午前1時40分ごろにかけて17回の受信を確認できた。西尾教授は「正常に動いており、地元の技術力を証明できた。1週間後から運用を開始したい」と話した。ハヤトは同大を中心に県内企業の技術者らが開発した九州初の小型衛星。集中豪雨を予測するための大気中の水蒸気分布観測実験を行う。
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良かったですね。おめでとう御座います \(^^)/
by 梧桐鳳翼 (2010-06-02 23:17)