2011年1月27日 日医 解答速報 [CVX-化学発展演習 日記]
こんにちは~ (*^_^*)/
さる1月27日に日本医科大学医学部の入試がおこなわれました。
という訳で、解答と簡単な解説をば・・・・
[Ⅰ] 問1 K ∵ 1族元素の単体は周期(原子番号)が大きいほど融点が低くなる。
問2 Ca ∵ マグネシウム族(Be,Mg)は炎色反応しない
問3 Ne ∵ 同一周期では2,3族と15,16族を除き原子番号が大きいほどイオン化エネルギーが大。
問4 He ∵ 希ガスは単原子分子で、Heの沸点が最も低い
問5 アルゴン∵ 単原子分子は閉殻構造をもつ希ガスの特徴。空気の組成はN278%,O221%,Ar1%。
問6 H2S ∵ H2Oは水素結合で異常に高い沸点を持ち、他は分子量の増加と共に沸点が上昇。
問7 Br2 ∵ 「還元されにくい = 酸化力が弱い」であり、酸化力はF2>Cl2>Br2。
問8 LiF ∵ アルカリ金属のハロゲン化物は水溶性が高いが、LiFは0.27g/100mLと例外的に小さい。
問9 a P4O10 ∵ 黄色で自然発火する単体は黄燐P4であり、P4 + 5O2 → P4O10 と燃焼する。
b H3PO4 ∵ 酸化燐(Ⅴ) P4O10は強い脱水作用を有する無色の昇華性固体であり、水とP4O10 +6H2O → 4H3PO4 のように反応してオルトリン酸を生成する。
問10 化学式:O3 名称:オゾン
三原子分子で酸化力が強い淡青色の単体は、酸素O2の同素体のオゾンと推定されます。その臭いは、Wikipediaには「生臭い特徴的な刺激臭」と記載されていますが、(化学辞典/p200-森北出版),(化学図録/数研出版),(化学Ⅰの教科書/東京書籍 他)などの書籍には「特異臭」と記述されています。
問1 結合の名称:配位結合 総称:配位子
問2 AgCl 問3 x=6,y=4 問4 1mol
問5 [M(NH3)6]3+ または [M(NH3)6]3+・3Cl-
問6 6 問7 コ 問8 3
∵ Cl-とNH3がトランスの位置にくるもの,シスの位置にくるものがあり、
シス形には対掌体がある。
[Ⅲ] ア-0.100×5.00÷(50.0+a), イ-0.200×(25.0-b)÷(50.0+b),
ウ-CH3COO-, エ-CH3COOH, オ-(い),カ-(5.00-0.200b)K÷0.200b,
キ-12.5, ク-pK または-log10K, ケ-0.100, コ-(50.0+b)KW÷(0.200b-5.00)
[Ⅳ] 問1 ア-配列順序,イ-ホルモン(ペプチドホルモン,ポリペプチドホルモン,単純タンパク質),ウ-4,エ-右,オ-αヘリックス,カ-βシート,キ-ミオグロビン,ク-ヘモグロビン,ケ-鉄(鉄(Ⅱ)イオン)
問2 異なる
∵ インスリン製剤は、原料となる動物種(牛,豚,人)によって分類され、2つのポリペプチドの内、豚インシュリンはBペプチドの30番目のアミノ酸が異なるだけだが、牛インシュリンはそれ以外にAペプチドの8,10番目のアミノ酸(計3カ所)が異なる。生物選択の生徒は問1,2は特に難しくなかったとのことですが、周囲の物理選択者の答案用紙は白紙部分があったとか・・・・。高校での化学の履修範囲から外れていますが、物理選択者が入学後に生物で苦しむ話はよく聞くので、大学側からの「医学部に来るなら生物をやっておけ」というメッセージかもしれませんね。
問3 ③-⑨
∵ ペプチド結合は平面構造をしており、カルボニル基C=Oの酸素原子とイミノ期N-Hの水素原子は反対側を向いている。図では、カルボニル基とイミノ期の向きが同じなので、αヘリックスにおける水素結合と考えられる。高校教科書(東京書籍など)及び化学図録(数研出版)にも記述されておらず、受験生の知識範囲としては③-⑨,④-⑧の2つのパターンが考えられる。
問4 イオン結合(クーロン力,静電気力),疎水結合
∵ 「相互作用」なので、ジスルフィド結合(共有結合)は含まないと判断。
問5 (1)100M-18×99=100M-1782 ∵ (重合度)-1のH2Oが取れて縮合している。
(2)1.00×10-3mol ∵ NH3をn molとすると、n ×1+(1.00×10-1)×10.0/1000×1=(5.00×10-2)×20.0/1000×2となる。
(3)8.9% ∵ (1.00×10-1)×14×100÷0.157=8.917(%)
(4)ⅴ
∵ 各アミノ酸ペプチドの窒素の含有量は(窒素の占める式量)÷(アミノ酸残基の式量)×100より、ⅰが24%,ⅱが20%,ⅲが22%,ⅳが11%,ⅴが8.9%となる。ただし、フェニルアラニンとグルタミン酸の分子式と分子量に誤りがあり、フェニルアラニンの正しい分子式C9H11NO2(正しい分子量165),グルタミン酸の正しい分子式C5H9NO4(正しい分子量147)となり、正しい分子量で計算すると、(3)で算出した数値に合うアミノ酸が(ⅰ)~(ⅴ)の中に存在しなくなる。
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