2011年1月31日東京女子医科大学 [CVX-化学発展演習 日記]
こんにちは~ (*^_^*)/
さる1月31日に東京女子医科大学医学部の入試がおこなわれました。
という訳で、解答と簡単な解説をば・・・・
問題Ⅰ 理論化学・無機化学・有機化学のオーソドックスな選択問題です。
問1 イ
問2 ウ ∵ 単体と酸化物の質量から原子量を求める問題
問3 ウ ∵ 凝縮開始すると圧力は飽和蒸気圧となり一定になる。
問4 ケ ∵ 浸透圧を求める式は理想気体の状態方程式と同じ PVM=wRT
問5 イ ∵ エも考えられるが「近似的」の記述があるため、10-7mol/Lは近似的に0とすべき。
問8 ケ ∵ ②メチル基は正四面体構造。⑤は過マンガン酸カリウムに酸化されないことになっている。ただし、過マンガン酸カリウムは強力な酸化剤なので、硫酸酸性下では有機化合物を二酸化炭素と水に分解する(CODの定量でフタル酸を酸化する問題がよく出題される)ので、炭酸ナトリウムで塩基性にして酸化力を弱めたもので実験することが多いとされる。
問9 ケ ∵ ②黄リンは空気と触れると自然発火するため水中に保存する。⑤塩素酸カリウムは強力な酸化剤で還元剤と混合すると火薬になる(花火などに使用)。
問10 キ
問11 サ ∵ ④無極性有機溶媒であるヘキサンにも溶ける。⑤トランス形よりシス形の方が、分子同士が密着できず分子間力が弱くなるため、沸点・融点が低くなる。
問12 ウ ∵ 炭化水素基(疎水基)が小さいものは水中でミセルを形成せず界面活性剤になれない。「サラダ油と卵黄とお酢を混ぜて作るマヨネーズでお酢の酢酸が界面活性剤になっている」なんてトンチンカンな解説を記載してある参考書があったが、それは明らかな間違い。
問13 エ
たしかに高校教科書に掲載されている図だが、普通は「高温・定圧ほど理想気体に近づく」と覚えるので、この図を添付して出題して欲しかった。
問題Ⅱ A 窒素酸化物の平衡問題 B 陽イオンの系統分離
問14 カ 問15 エ
問16 オ ∵ 注射器を横から見ると薄くなる(エ)だが、見る方向(図Ⅲ)からは同数のNO2が見えるので、色の濃さは変わらないと考えるべき。
問17 オ 問18 ア 問19 カ
問20 解答なし または 複数回答
∵ ろ液① [Cu(H2O)4]2+,ろ液①③ [Fe(H2O)6]3+ ,ろ液④ [Zn(NH3)4]2+,ろ液⑤ [Al(OH)4]-
文脈から出題者がサ(④と⑤)を正解に設定していると推測されるが、その場合は「アクア錯イオンは除く」と書き加える必要がある。
問21 オ
問題Ⅲ 過マンガン酸カリウムによる酸化還元滴定
問1 酸素
問2 (1) MnO4- +5e-+8H+→Mn2++4H2O
(2) H2O2→O2+2e-+2H+
(3) 2MnO4-+5H2O2+6H+→2Mn2++5O2+8H2O
(4) 2KMnO4+5H2O2+3H2SO4→K2SO4+2MnSO4+5O2+8H2O
問3 2.55%
問題Ⅳ 脂肪族化合物の構造決定
問1 3種類
問2 A:2-メチル 1-プロパノール B:1-ブタノール
問3 エチルエーテル または ジエチルエーテル または エトキシエタン
問6 容器の内壁に銀が析出する。(13字)
ここは、5分でやっつけられるようにしよう。
問題Ⅴ 糖類にかんする問題
問1
Ⅱ
問2 (ア) アミロース (イ) アミロペクチン (ウ) α-グルコース または α-ブドウ糖
(エ) ラセン(螺旋(らせん)) (オ) 小さい (カ) Ⅱ
問3 1).マルトース または 麦芽糖 2).エ
問4 コ
昨年に比べて、かなり大人しい問題でしたね。ちなみに、他の大学でも「アミロース」と「アミロペクチン」の大小関係を問う設問がありましたので、天然化合物の主なものの分子量の大小関係は覚えておいた方がよいでしょう。
いよいよ面接も開始ですね。面接対策は、書籍に書いてあることを参考に、自分なりの答えを用意しておくのが良いでしょう。東京女子医大はともかく、他の大学では、医局の存続をかけて「女子には厳しめ」の選抜をするところが多いので、男子よりもよっぽど優秀で「医局に骨を埋める覚悟です」くらいの気迫で望んでください。
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