脱原発の理論 [環境問題]
⊃`ノ二千ヮ..〆(^▽^*)
脱原発のホームページの中で、原発停止署名に対する賛成派と反対派の両者の意見が掲載されている(比較的中立的な)ところがこちらです。原発廃止賛成派の方の記述に、「火力は石油・石炭・天然ガスが燃料なので石油の影響はあまり受けませんし」という意見がありました。日本の火力発電は、LNG28.3%,石炭25.2%,石油は10.3%(Wikiより)の割合です。石油はもちろん原油価格の影響を受けます。原油価格の推移をまとめたHPによれば、平成元年に1kLあたり14,453円だったものが、平成20年には58,541円まで上昇しています。下の図は、エネルギー源別価格比較(大蔵統計)ですが、天然ガスも石炭も、全て値上がりしています。
新しい電源の研究は10年単位です。実用化されるまで20年,30年とかかることも珍しくありません。
日本の原子力発電所(Wiki)一覧と出力一覧から考えると、脱原発後に発電量を維持するために当面は火力発電を増設する必要がでてきます。少なくとも、現在の日本では再生可能エネルギーで、廃止する原発の発電量を補うことは不可能です。
火力発電を増やすと、以下の問題が生じます。
① 民主党の鳩山政権は、「二酸化炭素の25%削減」を世界に対して宣言しています。火力発電による発電量の増加は、二酸化炭素の排出量の増加とほぼイコールですから、まず民主党政権は「二酸化炭素削減目標の撤回」を宣言する必要があります。政治的な失点になりますが、すでに外交失点を重ねている民主党政権ですから、これは大したことはありません(民主党政権を含め日本がまた信頼を無くすだけです。さっそく国連には拒否されたようですね・・・・(読売Online 2011.04.04記事))。
② 燃料の輸入価格は、前述の図のように増加しており、火力発電の増加は電気料金の値上げに直結するでしょう。さらに、燃料をどう確保するかです。日本が太平洋戦争(大東亜戦争)に突入した一つの原因が、石油の禁輸であったことを忘れてはなりません。隣国のChinaは日本から資金援助(ODAなど)を受けながら、軍事費を年率2桁台で増加させ、日本を照準に収めた核兵器さえ装備している好戦的な国です。さらに、Chinaは(欧米が援助しない独裁国家も含め)アフリカやアジアなどへ資金援助して、増加し続ける燃料需要に対応できるよう輸入経路の確保に勤しんでいます(東シナ海ガス田の問題も最近領有権を主張してきた尖閣も、資源確保戦略の一環でしょう)。近い将来、化石燃料が欠乏すると云われています。多量の化石燃料を消費する火力発電を維持するのは、なかなか大変でしょう。
ここで、感情論を廃して客観的に物事を判断する必要があります。科学的に判断しないと、新聞記事にだまされることになります。
--------------------------------------(Newsポストセブン2011..5.11より)------
風力で原発40基分可能」朝日新聞の報道に東大名誉教授苦笑
4月22日の朝日新聞に、夢のような見出しが躍った。
〈風力なら原発40基分の発電可能 環境省試算〉
記事によれば、日本全体で風力発電を導入すると、約2400万~1億4000万kWの出力になり、稼働率を24%としても、原発7~40基分に相当するというのである。検証してみよう。
日本で発電可能な風が吹く時間は年間約2000時間とされるから、「稼働率24%」は妥当といえる。
日本で導入されている大規模風力発電で使われる2000kWクラスの風車で考えるならば、原発1基(100万kW)を代替するには、およそ1770基が必要になる(原発の稼働率を実績から85%と仮定し、風力の稼働率を24%と仮定)。
互いに干渉しないためには風車を最低でも100mずつ離す必要があるから、直線に並べれば177kmになる。ざっと東京~いわき間の距離だ。
40基分となると、この40倍だから7000km以上。北海道の稚内から鹿児島の指宿を結ぶJR線の距離が約3000kmなので、風車が列島を南北に1往復する計算になる。これが現実的でないことは、もはや言葉を要しない。
“大朝日”が、なぜこんな大間違いを書いたのか。記事は環境省試算を根拠にしているが、その同省が所掌する「地球温暖化対策に係る中長期ロードマップ検討会」の委員である安井至・東京大学名誉教授はこう苦笑する。
「委員で風力だけが代替エネルギーとして有力だという人は一人もいません。朝日の記事にある試算とは、可能な場所をすべて風力発電で利用し尽くした場合の『ポテンシャル』の数字であり、現実的なものではありません。
ポテンシャルについては風力だけでなく地熱、水力、太陽光なども発表していますが、朝日はその一部の数字から独自の計算をして『原発40基分』などと書いたのでしょう。昔から反原発派の人々は『風力推進派』が多く、そうした思想が背景にあるのかもしれません」
風力発電は、ヨーロッパなどでは大規模な導入実績や計画があるが、日本には当てはまらないという。
安井名誉教授が続ける。
「大陸の西端にあるヨーロッパでは、一定して西風(偏西風)が吹きますが、東端の日本は風向も風力も安定しません。また、ヨーロッパの海は遠浅で洋上風車が建設しやすいが、日本はその点で不利なうえ、台風や落雷が多く、実際に被害も起きています。
日本は風況の良い場所が少ないうえ、僻地になってしまう。北海道の稚内は有力地ですが、そこで発電して、どうやって東京まで電気を持ってくるかは難題なのです」
日本の「風況」が安定しないことはよく知られており、最も適した北海道でも、2009年の例で、利用率データのある38の風力発電所のうち、計画された発電量を5%以上上回ったのは1か所。逆に5%以上下回るものが21か所あり、平均で26.3%の稼働率だった(「北海道における風力発電の現状と課題」北海道産業保安監督部=2010年)。
これが「国内最適地」に開発された風力発電所の実績であり、この面でも朝日の机上の空論は明らかだ。
※週刊ポスト2011年5月20日号
----------------------------(以上引用終わり)----------------------
脱原発論争で多いのは、週刊ポストが指摘した朝日のような机上の空論を前提にしています。脱原発論者は、まるで太平洋戦争(大東亜戦争)時の艦隊決戦思考に取り付かれた日本軍のように、机上の空論を盲信しているのです。
「火力等、今の発電力でもフル稼働すれば間に合う計算」という意見が、色々なHPで脱原発の主張の根拠とされていますが、機械を使ったことのない人の机上の空論です。皆さんは、休み無く24時間1年365日働き続けることができますか?どんな設備にもメンテナンスが必要です。メンテナンスを怠れば、あらゆる設備が故障し、時には重大なトラブルを起こすでしょう。パソコンを修理に出したって、1ヶ月はかかるのですよ。日本中の発電設備のメンテナンスの度に計画停電ですか?「フル稼働して間に合う」=「発電能力が大幅に不足している」なのです。したがって、以下の図をもって、「真夏のピーク時の最大電力が「火力+水力」の発電能力を超えたことは一度もない」から原発はいらない・・・・というのは、メンテナンスを考えない机上の空論なのです。(スキューバダイビングでは、300気圧の耐圧タンクに200気圧までしか入れません。100km/hしか出せないオンボロ車で高速道路を走れますか?フル稼働というのは非常事態なのです)
---------------------------------(NHKニュース.2011.05.05)---
自動車各社 節電の検討本格化
この夏に懸念される電力不足に備えて、自動車メーカーの間では、生産の一部を西日本に移したり、夜間操業を増やしたりするなど、節電対策の検討が本格化しています。
この夏に東京電力の管内などで懸念される電力不足に対応するため、自動車メーカーなどで作る日本自 動車工業会は、25%の節電目標を掲げています。これに対応して、ホンダは、発売を予定しているハイブリッド車などの生産を、東京電力管内の埼玉県から中 部電力管内の三重県にある工場に移すことを決め、連休明けから生産を始めることにしています。また、UDトラックスも、埼玉県の工場で行っている金属部品 を熱加工する工程を、大阪などの部品メーカーに移管することを検討しています。一方、神奈川県などに工場がある日産自動車は、電力使用のピーク時間帯の操 業を避けて夜間操業を増やすことを検討しているほか、三菱自動車工業は、都内の一部の販売店の照明を消費電力の少ないLED=発光ダイオードに切り替える ことにしていています。自動車業界では、ほかの業界と交代で、土曜や日曜以外に休日を設定して節電を図る「輪番操業」の導入も呼びかけており、夏の電力不足に備えた対策の検討が本格化しています。
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生産拠点が移るということは、当然雇用先が変わると考えるのが妥当でしょう。日本の原発を全て停止し、電力が慢性的に不足すれば、工場が海外に流出し、国内の経済は壊滅する可能性があります。もしかして『中国様』に経済的繁栄を献上するための民主党政権の深謀遠慮?脱原発で、日本の輸出産業を根絶やしに・・・・という高度戦略か!! (人民解放軍の野戦軍司令官を擁する民主党だとシャレにならない)
ァ '`,、'`,、'`,、'`,、((´∀`●))ァ '`,、'`,、'`,、'`,、
'`,、
Newton (ニュートン) 2011年 06月号 [雑誌]
- 作者:
- 出版社/メーカー: ニュートンプレス
- 発売日: 2011/04/26
- メディア: 雑誌
島根県安来市に巨大な工場を構える日立金属が開発した新型工具鋼 SLD-MAGIC(S-MAGIC)は微量な有機物の表面吸着により、金属では不可能といわれていた自己潤滑性能を実現した。この有機物の種類は広範囲で生物系から鉱物油に至る広い範囲で駆動するトライボケミカル反応を誘導する合金設計となっている。潤滑機械の設計思想を根本から変える革命というものもある。
このトライボケミカル反応にもノーベル物理学賞で有名になったグラフェン構造になるようになる機構らしいが応用化の速度にはインパクトがある。
by 最前線からの報告者 (2012-12-02 19:50)