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見直される石炭 ぉお!!(゚ロ゚屮)屮 [C2J-東大化学 日記]

☆ボンジュール ♪( ̄∠  ̄ )ノ

炭素の同素体と云えば、ダイヤモンド黒鉛(石墨・グラファイト)フラーレンです。

ダイヤモンドは最も硬い物質でモース硬度10,透明で宝石としての価値も高いですね。そのダイヤモンドは黒鉛を超高圧で圧縮すると作ることが出来ますが、隕石の衝突はその高圧を一瞬で生じさせます。シベリアのPopigaiクレーターには、そうやって出来たダイヤモンドが多量に埋まっているそうです w( ▼o▼ )w オオォォ!!

黒鉛(グラファイト)層状構造を持ったモース硬度が1~2の軟らかい結晶で、層方向に電気を導きます。もちろん、黒鉛(グラファイト)単体なので炭素100%ですが、実際の黒鉛には若干の水分や揮発分,灰分が含まれる混合物です。黒鉛は、炭素分(Cの質量%)が99~80%の天然の黒鉛(土状黒鉛鱗状黒鉛)と、コークスから作った炭素分99.5%の人造黒鉛に大別できます。

・コークス(骸炭) = 石油もしくは石炭乾留(蒸し焼き)して炭素の純度を高めた燃料
        燃焼時の発熱量が大きく、高温を得ることが出来る

・石炭植物が腐敗せずに地中で炭化(石炭化)したモノ
      生物由来のため純粋な炭素の塊ではなく複雑な構造をした有機化合物である

・石炭化 = 化合物中の酸素や水素が減り炭素分が上がっていく現象
    炭素分70%の泥炭 → 褐炭 → 瀝青炭 → 炭素分90%以上の無煙炭

泥炭(ビート) = 泥状の炭で含水量が多く発熱量が小さいため燃料としては品位が悪い
     繊維質を持ち保水性や通気性に富むので園芸の土質改質用に使用される

褐炭(亜炭) = 褐色で水分や不純物が多く灰分(ミネラル)も多いため発熱量が低い
     品位が低いが世界の石炭埋蔵量の半分を占める

瀝青炭瀝青を含む炭素分83~90%の石炭でコークスの原料に適する
     日本の石狩炭田三池炭田等からは粘結性が弱い低度瀝青炭や亜瀝青炭が産出
      低度瀝青炭や亜瀝青炭は炭素分が少なく発熱量も小さいため低品位である

無煙炭 = 最も石炭化の進んだ炭素分90%以上の高品位炭で煙が少なく発熱量が大きい
     日本では大嶺,秋田,筑豊,天草などに少量産出
     隠密性と機動性が求められる軍艦艇の蒸気機関燃料に向いており、昭和初期に
     海軍燃料の中心が石油へ転換するまでは主要燃料だった(Wikiより)
     日露戦争の時、日本の連合艦隊はイギリスはウェールズ産の無煙炭を積んで戦った

実は、熊本県の天草炭田当時月産4000tの無煙炭を産出し海軍にも大量に納入していますし、日本最大の筑豊炭田や良質な石炭を産出した三池炭鉱と同じ福岡県の糟屋(かすや)炭田良質の無煙炭を産出したため海軍自らが艦艇の燃料確保のために開発していました。しかし、戦争遂行には不足したため(三笠1隻で1521t/7000海里(13000km))、無煙炭93万tを緊急輸入したのです(燃料用として輸入7割,国産3割)。ちなみに、日本で多く産出する亜瀝青炭は、外貨獲得のために東南アジア各国へ290万tも輸出しています。

発熱量の差は下図(資源エネルギー庁/2004)の通り(1cal≒4.2J)ですから、無煙炭亜瀝青炭で代用したら30%もの出力ダウンですね。同じ出力を出すためにボイラーを拡張・・・も限られた船体内では限りがあるし・・・・┐( ̄ヘ ̄)┌

艦船の燃料確保の点から考えても、良質の無煙炭を大量に産出していたイギリスと同盟したことが、日露戦争の勝因になったことは間違いないでしょうヾ(@⌒▽⌒@)ノ

資源エネルギー庁(HP・2004).gif

さて、石炭なんて昔のモノだと思ったらとんでもない ρ(・д・*)コレ

------------------------------------(All About 2009.05.27)

CO2を削減、石炭火力発電の新技術とは?

 オイルショックに見舞われた1970年代まで、石油火力が発電の完全な主役でした(75年度の発電電力量は全体の66%)。しかし、石油価格の高騰や、産油国が限られることからくる供給の不安定さなどを背景に、石油依存からの脱却が図られたのです。原子力発電の拡大とともに、同じ火力発電でもLNGや石炭へのシフトが進みました。
 石炭のいいところは、石油に比べて埋蔵量が豊富で、産地も世界に広く分布し安定供給が見込めること。価格も比較的安価に落ち着いています。
 半面、デメリットもあります。石油やLNGに比べると地球温暖化ガスである二酸化炭素(CO2)を多く出すのに加えて、大気汚染物質の硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)、ばいじんなどが発生するため、これらを除去する手立てが必要になるのです。
近年、中国からの黄砂の飛来が問題になっていますが、その大きな原因が旧式の石炭火力発電から排出される汚染物質が酸性雨となり、森林を枯らしてしまうからだと言われています。

石炭をガスにして燃やす新技術がIGCC!

 そうした石炭火力発電の弱点を補う目的で開発が進められているのが、石炭ガス化複合発電(IGCC)です。
 この発電の大きな特徴は、その名のとおり石炭を「ガス化」するところにあります。従来の石炭火力では、粉状にした石炭(微粉炭)をボイラー内で燃やして蒸気を発生させ、その膨張力で蒸気タービンを回し発電していました。IGCCでは、まずガス化炉の中で微粉炭と空気を高温で反応させて、可燃性のガスをつくります。それをガスタービンで燃やし、その膨張力でタービンを回します。


石炭ガス化複合発電.jpg

 この時に出る高温の排ガスも無駄にはしません。排熱回収ボイラーに導いて蒸気を発生させ、蒸気タービンも回して発電するのです。ガスタービンと蒸気タービンの両方で発電するこのシステムを「複合発電」(コンバインドサイクル発電)と言います。

CO2排出量も2割減少

 この方式を採用することにより、発電効率(投入エネルギーをどれだけ電気エネルギーに変えられるか)は、従来の石炭火力の約42%から48~50%まで高められるそうです。効率よく発電できるということは、同じ量の電気をつくるのに使う燃料が少なくて済むということ。CO2排出原単位(例えば1kWhの発電の際に排出されるCO2量)は2割減り、石油火力と遜色のないレベルになります。

石炭火力の現状2.jpg

 もちろん、大気汚染物質も低減。IGCCには、従来の火力発電では使うのに難があった灰融点の低い石炭が適しているために、利用できる「炭種」が広がるといったメリットもあります。
------------------(引用終わり)-------------------

低品位炭 = 亜瀝青炭,褐炭など燃焼熱が小さく灰融点が低い

灰融点の低い石炭は従来型の火力発電所では使えない
  ∵ 燃焼後に生じる灰分の融点が低いと伝熱面へ灰が付着して熱が伝わりにくくなる

ちなみに、日本では石炭技術の継承のため、釧路炭田(北海道釧路市 坑内掘り方式(釧路コールマイン))だけが唯一の稼働中の炭鉱になっているみたいですね。

上記の他にも、色々と石炭利用の計画はあるようですね  ρ(´ー`) コレ
いずれも、民主党政権下で「次期展開」に進んでないみたいですが・・・・ 石炭ガス化.gif
仕分けか?仕分けなのか?...ヽ( ´_つ`)ノ ?
「脱原発」の1つの有力手段になりそうな技術の開発を仕分けしてたのか?llllll(-_-;)llllll


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