SSブログ

Ⅲ期 第4回 アルコールの構造決定 [C2J-東大化学 日記]

こんにちは~ (*^_^*)/

今日は風が強かったですねー。
昔は、この乾燥した強い風(空っ風)で、東京(江戸)は、しばしば大火事になったんですよねぇ。
火事と喧嘩は江戸の花」っていう言葉があるくらいですから・・・
フェーン現象ですね。

さて、
有機化合物の構造決定では、
システマティックつまり理論的に組織化・系統化された手法で問題に取り組む事が必要です。

まず、
Step1.分子式 を分析しましょう。
 ① 不飽和度の計算 不飽和度Uは(π結合)または(環状構造)の数を表す数値で
           官能基や構造を考える場合の目安になります。
 ② 分子式のタイプ 酸素の数,不飽和度などから、分子のタイプを考えます。
          炭素と水素のみ = 炭化水素
          酸素が1個,不飽和度が0 = アルコール,エーテル
          酸素が2個,不飽和度が1 = エステル,カルボン酸 が多い
          その他
 ③ 炭素数     炭素が5個以下であれば、全ての異性体を書き出した方が
           問題を解くのが早いです。

Step2.官能基の決定 をしましょう。
 今回は、酸素を1個含む不飽和度0の化合物の構造決定について考えます。
 ① ナトリウムNaとの反応
           する(水素を発生) = ヒドロキシ(ル)基を有するアルコール
           しなし = ヒドロキシ(ル)基を持たないエーテル
     まず、アルコールかエーテルかを見分けます。
     エーテルなら、全ての異性体を書き出して、問題にあわせて答えを書きます。
 ② 二クロム酸カリウムでの酸化
           されない = 第3アルコール
     C4なら2-メチル2-プロパノール,C5なら2-メチル2-ブタノールしかありません。
 ③ 酸化生成物の性質
           還元性あり or 酸性物質が生成 = 第1アルコール
           還元性のない中性物質 = 第2アルコール
     還元性がある(銀鏡反応フェーリング反応が陽性)のはアルデヒドです。
     酸化により生じる酸性物質はカルボン酸です。

 ④ ヨウ素と水酸化ナトリウム水溶液とともに加熱
           黄色結晶析出 = CH3-CH(OH)-の構造有り
     黄色の固体はヨードホルム(トリヨードメタン)です。
     C4なら2-ブタノール,C5なら2-ペンタノールと3-メチル2-ブタノールが
     該当する物質(どちらも第2アルコール)です。
     ちなみに、C5の第2アルコールのうち、ヨードホルム反応陰性なのは、
     3-ペンタノールだけです。
 ⑤ 沸点
     異性体の中で最も沸点が高いのは、直鎖で末端に官能基がついている構造です。
     C5では、1-ペンタノールになります。
 ⑥ 分子内脱水(濃硫酸と加熱)
           しない = ヒドロキシ(ル)基の付く炭素の隣の炭素に水素がない
     分子内脱水は、ヒドロキシ(ル)基とヒドロキシ(ル)基のついた炭素の
     隣の炭素についている水素が水分子になって脱離して、二重結合が生じる
     反応です。
     C5で該当するのは2,2-ジメチル 1-プロパノールです。

このように、ポイントを抑えていけば、短時間で全ての構造を決定する事が可能です。
他にも、キーワードがありますので、問題演習を通じて解き方を体得していきましょう。

構造決定は、得意になるほど解答時間の短縮できる、勉強の時間の投資価値のある分野です。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:学問

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。