iPSで「免疫」量産 理研が成功 がん治療に光 [科学技術]
こんにちは~ (*^_^*)/
iPS細胞(人工多能性幹細胞) = 体細胞に分化万能性を持たせた細胞(2006年京都大学山中教授ら)
生命倫理に反すると云われて色々と研究にも制約のあった受精卵などを使わなくても、普通の体細胞をリセットして色々な臓器を作り出すことが出来れば、再生医療の可能性は飛躍的に広がります。
---------------------------------------( 産経新聞2010年6月2日より転載)---
がん転移の仕組み解明も 体組織構築の“司令塔”解明
【知の先端】奈良先端科学技術大学院大学教授・高橋淑子さん
私たちの体は約60兆個の細胞でできている。たったひとつの受精卵が多 様な組織に分化していく発生・分化の段階では、細胞はさまざまに変化・移動して組織や個体が構築される。奈良先端科学技術大学院大学の高橋淑子教授は昨 年、骨や筋肉の元になる組織で「エフリン」というタンパク質が細胞の切断と整形の司令塔の役割を果たしていることを突き止めた。この成果は、再生医療の実用化やがん転移のメカニズム解明に役立つ可能性があるという。(伊藤壽一郎)
理化学研究所は、抗がん効果を持つ免疫細胞からiPS細胞(人工多能性幹細胞)を作製し、分化誘導させることで同じ免疫細胞を大量に作ることにマウスで
成功した。免疫細胞の数が少ない患者でも治療効果の改善が期待できるという。1日付の米医学誌(電子版)に発表した。
[フォト]がん治療に光 NKT細胞から作ったiPS細胞
この免疫細胞は、肺がん治療などで有効性が知られる「ナチュラルキラーT(NKT)細胞」。NKT細胞の活性化による抗がん治療は臨床試験段階にある
が、患者の3分の2はNKT細胞の数が少なく、効果が低いのが難点とされる。
皮膚などから作ったiPS細胞からもNKT細胞を作ることはできるが、同時に別の免疫細胞も作られ、効率が悪かった。
研究グループは、NKT細胞から作ったiPS細胞が、ほぼ確実にNKT細胞へと分化誘導できることを突き止め、NKT細胞だけを大量に作りだすことに成
功。がんを発症させたNKT細胞欠損マウスに投与すると、症状が改善することも確認した。
ただし、iPS細胞を作製するときにレトロウイルスを使った場合は、発がんの可能性がある。研究グループの渡会浩志・上級研究員(免疫学)は「ヒトへの
応用には、発がんの恐れのないiPS細胞作製法の確立が必要」と話す。
-----------------------------------(以上引用終わり)----------------------
今後の発展に期待したいですね。
iPS細胞―再生医療への道を切り開く 人工多能性幹細胞 (ニュートンムック Newton別冊)
- 作者:
- 出版社/メーカー: ニュートンプレス
- 発売日: 2008/08
- メディア: 大型本
エスカルコ゛・サイエンス 再生医療のしくみ (エスカルゴ・サイエンス)
- 作者: 八代 嘉美
- 出版社/メーカー: 日本実業出版社
- 発売日: 2006/11/28
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
先端医療をひらく(別冊日経サイエンス177) (別冊日経サイエンス 177)
- 作者:
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2011/01/17
- メディア: 大型本
ラセンがかたる生命の不思議 ~分子生物学をのぞいてみよう (知りたい!サイエンス)
- 作者: 福田 照丈
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2008/08/12
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
コメント 0