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水分子の構造 [C3J-東大化学 日記]

こんにちは~ (*^_^*)/

水H2O分子の結合の仕方については2つの考え方があり、大学の教科書にも両論併記されているものがあります。

一つは、2つの直交する2p軌道で結合しているとするもの。
 このとき、2つの水素H原子はI-効果(誘起効果 = 電気陰性度の大きい方に共有電子対(電子雲)が偏って電荷の偏りを生じる現象)により、プラスに帯電し、その反発力によって結合角は90°から104.5°へと拡がる。この考え方の傍証として、16族元素の水素化合物の結合角は以下の通りであり、16族元素の周期が大きく、16族元素の原子と水素の結合の極性が小さくなるほど結合角が90°に近付くことがあげられます。

表-1 16族の水素化合物の結合角
   H2O 104.5゜
   H2S 92.2゜
   H2Se 90.9゜
   H2Te 90.0゜
   H2Po 90.0゜
03-化学結合-水p軌道説.gif

もう1つは、O-Hの結合がO原子のp軌道ではなくsp3混成軌道によるもの。
 sp3混成軌道による結合と考えた場合、結合角が109.27°ではなく104.5°となる説明とし、電子対反発則が用いられます。

03-化学結合-水sp3混成説.gif
電子対反発則の考え方
 ① 共有結合には方向性がある。
 ② 電子対反発の強さ
      (非共有電子対どうし)>(非共有電子対と共有電子対)>(共有電子対どうし) 

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