オストワルト法の反応 [C2J-東大化学 日記]
こんにちは~ (*^_^*)/
今回はC2Jで取り上げた周期表各論のうち、15族第2周期の元素・窒素Nの有名な反応「オストワルト法(アンモニア酸化法)」について、確認しておくべきポイントをまとめておきましょう。
授業中にプロジェクターの内容をノートしきれなかった人は、ここで再確認して下さいね∑d(≧▽≦*)
オストワルト法のポイントは、白金触媒を使った第一段階のアンモニアの酸化です。白金Ptがないと化学的に安定な窒素の単体が生じます(N≡Nの結合エネルギーは942kJ/molととっても大きい)。
第一段階で生成した一酸化窒素は生成熱が-90.4kJ/molの不安定な無色の気体で、常温では直ちに酸素と反応して赤褐色の二酸化窒素になります。これが第二段階です。この反応は実際には化学平衡(詳細は冬期講習でやります)になっていて、高温の620℃では左(一酸化窒素と酸素が分離した状態)に反応が進み、比較的低温の160℃では右(二酸化窒素の状態)に反応が移動します。
第二段階で生成した二酸化窒素を水に溶かせば目的となる硝酸が出来ます。これが第三段階ですね。名古屋大学の入試で、オストワルト法の第三段階では「熱水」と「冷水」のいずれに溶かすのか・・・という設問がありましたr(-◎ω◎-) .....。防衛医科大学では、 「熱水と冷水に溶かしたときの反応式をそれぞれ書け」という問題も出ていました"o(-_-;*) ウゥム…。答えは上記の通りです。工業的に硝酸を製造するオストワルト法(アンモニア酸化法)では、不純物として還元性も有する亜硝酸が混入するのは都合が悪いので、熱水に二酸化窒素を溶かしていることを覚えておきましょう。
ついでに、オストワルト法やハーバー・ボッシュ法などの無機化学工業に関連する書籍をご紹介します。 「知識は力なり(哲学者フランシス・ベーコン)」と云います。雑学でも何でも、どんどん本を読みましょうd(⌒ー⌒) グッ!!
毒ガス開発の父ハーバー 愛国心を裏切られた科学者 (朝日選書 834)
- 作者: 宮田 親平
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 2007/11/09
- メディア: 単行本
タグ:オストワルト法
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