「オストワルト法」の工業的製法と実験室的製法の違い [C3J-東大化学 日記]
こんにちは~ (*^_^*)/
夏に無機化学講座C3JBで解説しましたが、今回は「オストワルト法(アンモニア酸化法)」の反応を、その装置と照らし合わせてみましょう ★⌒c( ̄▽ ̄)ヨッシャ!
各段階の反応については、この前のブログに詳解しましたので、ここでは簡単に装置をなぞっていきます。
高校などの実験室で実験する場合と、大規模な設備を使って製品として硝酸を製造する工業的な製法とでは、若干の違いがあります。
第一段階のアンモニアの酸化、第二段階の二酸化窒素の生成までは、装置の見かけこそ違いますが役割はどちらも同じです。
違うのは、第三段階の水に溶かすところです。工業的には不純物である亜硝酸の生成を抑えるために熱水を使用するため、熱に対しても不安定な亜硝酸は生成せずに硝酸と一酸化窒素のみ生じます(「  ̄ー ̄) ・・・
実験室で二酸化窒素を冷水に吸収させると、還元性も有する亜硝酸が生成します(もちろん熱水を使えば工業的製法と同じように一酸化窒素と硝酸しかできませんよ) ( ̄ー ̄)ノ" ゜ ポイッ
工業的な装置は、第三段階で生成した一酸化窒素を循環させることで、効率よく硝酸を作ることが出来る点にあります。循環させるのは、ハーバー・ボッシュ法(高圧ガス循環法)もおなじですね(≧∇≦)b 実験室で組んだ上図の装置では、循環させるのはなかなか困難でしょう (-ω-;)ウーン
さて、受験生ともなれば趣味の読書をする時間はなかなか取れないかもしれませんが、イギリスの哲学者フランシス・ベーコンが「知識は力なり」と云っているように、大学入試でも幅広い知識が役立つこともありますヾ(@^▽^@)ノ 科学系の本は、マンガだって役に立つことがありますよ(特に医学部の入試では) (@゚ー゚@)ノ
※ 集団指導で伸び悩んでいる皆さんは個別指導がベストですよ_〆(・・ )
毒ガス開発の父ハーバー 愛国心を裏切られた科学者 (朝日選書 834)
- 作者: 宮田 親平
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 2007/11/09
- メディア: 単行本
コメント 0