50億キロの旅路の果てに [科学技術]
こんにちは~ (*^_^*)/
必ず帰ってくると信じていました。
次期内閣で消費者行政・少子化担当相に内定した蓮舫参院議員ら科学に無理解 な民主党の事業仕分けに、散々苦杯を嘗めさせられた科学技術界ですが、久々に明るいニュースですね。米国はアポロ計画で、旧ソ連(現ロシア)はルナ計画で「月の石」を持ち帰りました。それ以外には、太陽風の粒子や彗星(すいせい)の塵を地球へ持ち帰った例はありますが、地球外の天体の岩石を地球に持ち帰ったことはありません。小惑星「イトカワ」から岩石を回収した「はやぶさ」の着陸と収容に無事成功すれば、ルナ24号以来34年ぶりに地球外の天体から岩石試料の回収に成功するという快挙が成し遂げられるのです。
【50億キロの旅路 「はやぶさ」帰還へ】(新聞記事へ)
試料回収
帰還を目前にしたはやぶさは、すでに数々の成果を挙げている。新技術のイオンエンジンで、地球の重力を利用した加速(スイングバイ)に世界で初めて成功。自律航行の技術を 実証し、運転継続時間も大幅に記録を更新した。
小惑星「イトカワ」への着陸前には、2カ月以上も上空から地形や鉱物組成、元素分布などを観測。その成果をまとめた7本の論文は米科学誌「サイエンス」の特集号に掲載された。
惑星科学の研究者は、カプセルの中身に大きな期待を寄せる。カプセル回収後に初期分析を担当するJAXA教授の藤村彰夫は「小惑星から試料が直接手に入れば、どんな微量でも、研究レベルは大きく向上する」と話す。
カプセルは厳重に管理され、相模原市のJAXA宇宙科学研究所へ運ばれる。大きさが0・2ミリを超える物質が入っていれば、直後のX線検査で見つかるという。
次代へ継承
JAXAは、後継機「はやぶさ2(仮称)」の開発を計画している。別の小惑星から有機物を含む岩石試料を持ち帰り、生命の起 源に迫るという。まとめ役のJAXA准教授、吉川真は「はやぶさで、さまざまなトラブルを乗り越えた経験が生きる」と話す。--------------------------(記事より抜粋)
確かに、「はやぶさ」は様々なトラブルに見舞われました。しかし、「はやぶさ」に関わった研究者・技術者の皆さんの努力と創意工夫により、宇宙戦艦ヤマトのように絶望的な状況から生還しようとしているのです。
以下に、「はやぶさ」関連の映像を集めました。民主党政権には、「こども手当」なんて無駄遣いはやめて、将来の為にぜひ科学技術予算を倍増させて欲しいと思います。
【用語解説】イオンエンジン
電気推進エンジンの一種。燃料のアルゴン,キセノンなどをイオン化して加速、後方に噴 出して進む。化学燃料のエンジンに比べて燃費が良く、長時間の運転が可能。推進力は小さいが、宇宙空間では徐々に蓄積されて大きな速度が出せるため、惑星探査での利用が期待される。はやぶさは推進剤(燃料)としてキセノンを使用、運転継続時間の世界記録を更新した。(記事より抜粋)
ご家庭にロボットの時代 [科学技術]
こんにちは~ (^o^)/
ASIMO 可愛いですねぇ。HONDAから、この二足歩行ロボットが発表された時、同じ二足歩行ロボットをテーマにした多くの論文が吹っ飛んだそうです(「二足歩行」は難しい・・・・っていう内容のモノが多かったから)。
日本の本田技研工業が開発した世界初の本格的な二足歩行ロボットASIMO(HONDAのHPはこちら)
- 作者: あさり よしとお
- 出版社/メーカー: 学習研究社
- 発売日: 2004/02
- メディア: 単行本
- (3)から時代が下って、HONDAからP2(ASIMOの前身)が発表された後の2002年に出された本ですね。まんがサイエンスの(3)と(8)の2冊を見比べるだけでも、その間10年のロボット技術の進歩を垣間見ることが出来ます。
お掃除ロボ「ルンバ」大人気 時間や手間も“片付く”
直径34cmの円形で厚さは9・2cm,重さは約3・7kgの「人工知能」を備えた“自動掃除機ルンバ(米国アイロボット社製)”のお掃除ロボット、「ルンバ」。 スイッチを入れると、部屋中を所狭しと隅々まで動き回る。何かにぶつかると方向を変え、“獲物”であるゴミ、毛髪、ペット の毛を求めて徹底的にかき出し、吸い取ってしまう。もちろん10センチ以上ならソファの下にも潜り込むし、2センチ以内なら障害物も楽々乗り越えていく。 おまけに階段はセンサーで察知してUターン。賢い。 電池が切れそうになると突然、掃除を中断して、充電器の所に戻り、電気を補充する機種 も。一回3時間の充電で1時間はたっぷり働いてくれる。
「8年前に世に出、改良を重ねて世界でもう400万台が使われています。日本でも 昨年実績は前年度比200パーセントという伸びです。消費電気料もルンバの充電電気料は1時間たった1円(一般の千ワッ ト掃除機で約22円)ですからエコという点でも受けたのでしょう。ルンバをより効率的にお使い頂くために家を改築したと いう話も聞いております」と、アイロボット日本総代理店、セールス・オンデマンド株式会社の徳丸順一取締役。
「はい、ロボットですね。状況を見て状況把握ができる、人工知能を持ち判断ができる、自力で駆動する。この三 つを備えていればわれわれはロボットとみています」とは、社団法人日本ロボット工業会の濱田彰一技術部長。
------------------------------------------(記事より一部抜粋)
- ショップ: エイ・ワン
- 価格: 48,800 円
実際に使っている方のブログはこちら(自動掃除機ルンバの実力を検証する~オフィスと家庭で実際に使ってみた~)
4~9万円で家庭用ロボットが買える時代になったんですねぇ。
他にも爆弾処理や発掘調査,海洋調査,災害時の被害者捜索など危険を伴う作業を行うロボットが、次々と実用化されています。
今、私たちはロボットの時代にいるのですね。
「あかつき」飛翔!! [科学技術]
こんにちは~ (*^_^*)/
ついに「金星」への旅が始まりました。 「あかつき」打ち上げです。金星は、地球とほぼ同サイズの岩石型惑星ですが、大気圧が約90気圧もあり、強力な温室効果により気温は400℃~500℃に達します。
JAXAの「金星大気の謎に挑む~金星探査機PLANET-C~」Movie
JAXA「あかつき」特設サイトもぜひお出でませ(=^▽^=)
宇宙航空研究開発機構が開発した日本初の金星探査機「あかつき」を搭載したH2Aロケットが5月21日午前6時58 分、鹿児島県の宇宙機構種子島宇宙センターから打ち上げられた。
ロケットは約27分後にあかつきを予定通りに分離して軌道に投入。あかつきと相乗りした、微弱な太陽光を薄い膜で受けて動力にする宇宙ヨット技術の実証機「イカロス」、大学や高専が製作した小型衛星4個も順次分離、軌道投入され、打ち上げは成功した。
あかつきはこの後、約5億2千万キロを飛行して12月に金星付近に到達、最終的には金星表面から300~8万キ ロの長い楕円の周回軌道に入る。機器の性能確認の後、観測を2年以上続ける予定だ。
多様な波長で調べられる特殊カメラなど観測機器を駆使し、主に硫酸でできているとされる厚い雲の詳しい成分や、 秒速約100メートルになる暴風の発生メカニズムなど、金星の気象の謎に迫る。打ち上げ費用を含め、開発費は約252億円。
日本の惑星探査は火星を目指した1998年の「のぞみ」以来だが、のぞみは打ち上げ後に機器のトラブルが続いて 2003年に軌道投入を断念した経緯があり、あかつきには初の惑星探査成功への期待もかかる。
-------------------------------------------------------(記事より抜粋)
ところが、その後のニュースによると、相乗り衛星4機のうち、UNITEC-1(相乗り衛星として地球重力圏を離れ、金星に向かって打ち出される世界初の複数の大学が共同で開発した深宇宙衛星),WASEDA-SAT2(早稲田大学がQRコードの撮影実験・学生などへの画像提供・パネル展開による姿勢安定の実証実験を目的に開発)およびK-SAT (鹿児島大学人工衛星開発部会が集中豪雨予測を目指した大気水蒸気分布観測実験・マイクロ波帯高速通信による地球動画撮影・超小型測位衛星のための通信基礎実験のために開発)の3機が行方不明になっているとのことです。
UNITEC―1は金星を目指し、他の2機は地球のまわりを周回するはずだったのですが、3機の超小型衛星からの信号が受信できず、音信不通とのこと。
各相乗り衛星の格納状態は、こんな感じです(JAXA-HPより転載)
※ WASEDA-SAT2、大気水蒸気観測衛星、Negai☆″はJ-POD(JAXA Picosatellite deployer)に格納,搭載されています。 今回、行方不明になった3機のうち、2機がこのJ-POD搭載だったのは、気になるところですね。もう1機のNegai☆″は健在が確認されているのでしょうか?相乗り衛星の分離は、下記の手順によります(JAXA-HPより転載)
種子島宇宙センター大型ロケット発射場第1射点より打ち上げられたH-IIAロケット17号機は、太平洋上を飛行し、固体ロケットブースタ(SRB- A)、衛星フェアリング、第1段を順次分離します。引き続いて、第2段エンジン第1回目の燃焼後、J-POD搭載の小型副衛星3基(Negai☆″、 WASEDA-SAT2、大気水蒸気観測衛星)を順次分離します。その後、第2段エンジン第2回目の燃焼後に金星遷移軌道上であかつきを分離します。さら に、ロケットは慣性飛行を続け、PAF900M(あかつき分離部)、IKAROS、UNITEC-1を順次分離します。
----------------------------------------------------(JAXA-HPより転載)
あかつきとIKAROSは順調に推移しているようですが、その前後に分離されたWASEDA-SAT2、大気水蒸気観測衛星K-SATおよびUNITEC-1が音信不通なのは何故でしょうか?とにかく、無事を祈ります。
さて、打ち上げに成功した金星探査機「あかつき」は、観測用のカメラで地球の撮影に成功しています。こちらは、順調なようですね。
21日に鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた「あかつき」は、金星に向かう軌道に入り、順調に飛行を 続けています。地球の画像は、「あかつき」に搭載された観測用のカメラが正常に動くか確認するため、打ち上げ14時間後に地球から25万キロの位 置で撮影したもので、23日に3枚が公開されました。赤外線カメラでとらえた白黒の画像は、地球の表面の温度分布を温度の高い部分を白で表し、 漆黒の宇宙の中に丸い小さな地球が浮かび、あかつきが徐々に地球から遠ざかっている様子が見てとれます。また、紫外線カメラなどで地 球の大気の様子を撮影した画像も公開され、地球の昼の部分に赤や青で色が付けられ、幻想的な世界を醸し出しています。「あかつき」のプロジェク トの責任者宇宙航空研究開発機構の中村正人さんは、「金星の到達までは、登山で言えばまだ1合目で、油断せずに運用を続けたい」と話 しています。「あかつき」は、順調にいけば、ことし12月ごろ、金星に到着する予定です。
---------------------------------------------------------(記事より転載)
こういったイベントがあると、関連書籍が読みたくなるのは好奇心の塊である人間の性でしょう。というわけで、以下に、関連のお薦め書籍をピックアップしました。
ロケットと宇宙開発 決定版 (Gakken Mook 大人の科学マガジン別冊)
- 作者:
- 出版社/メーカー: 学習研究社
- 発売日: 2009/07
- メディア: ムック
トコトンやさしい宇宙ロケットの本 (B&Tブックス―今日からモノ知りシリーズ)
- 作者: 的川 泰宣
- 出版社/メーカー: 日刊工業新聞社
- 発売日: 2002/08
- メディア: 単行本
- 作者: あさり よしとお
- 出 版社/メーカー: 学習研究社
- 発売日: 2004/02
- メディア: 単行本
- 作者: あさり よしとお
- 出 版社/メーカー: 学習研究社
- 発売日: 2008/04/03
- メディア: コミック
- 登場人物はがらりと替えられていますが、ストーリー的には(2)巻の焼き直しです。ただ、記事の内容は(2)巻を補完するものなので、そういう面では役に立つでしょう。
- 作 者: 植松 努
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2009/11/05
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 作者: 柴田 一哉
- 出版社/メーカー: 大日本絵画
- 発売日: 2005/08
- メディア: 単行本
- 月ロケットの原型がドイツの報復兵器V2だったように、こういった技術開発は戦争によって発達するのが現実の姿です。兵器開発では「世界一ではなく2番目ではダメなのか」はあり得ない発想です。
- なお、秋水の他にも、ロケット機関を積んだ「桜 花」があります。桜 花は、米軍に接収された実機がスミソニアン博物館に展示されています。
- 作者: クルト マグヌス
- 出版社/メーカー: サイマル出版会
- 発売日: 1996/03
- メディア: 単行本
- ソ連(現ロシア)が、先端技術の習得に血眼になっている姿が、よく分かります。欲しいモノを手に入れる為には手段を選ばず、火事場泥棒的な日ソ中立条約の破棄と満州・千島への侵略(その時多数の婦女子が暴行されています),ポツダム宣言に背いた明確な違法行為のシベリア抑留(死者34万人以上)など、本来なら日本政府は「北方領土返還」を迫る以前に、声高に抗議すべきでしょう。Chinaの捏造「南京大虐殺」の様な作り話ではなく、これはロシア側の資料にも明らかな事実なのですから・・・・
悪代官と宇宙ロケットのチャイナ―引き裂かれた「人民中国」の光と影 (洋泉社ペーパーブックス)
- 作者: 富坂 聰
- 出版社/メーカー: 洋泉社
- 発売日: 2006/06
- メディア: 単行本