芳香族の示性式 (~ヘ~;)ウーン [C3J-東大化学 日記]
(*^o^*)コ(*^_^*)ン(*^ー^*)ニ(*^ー^*)チ(*^O^*)ワーー!
はやくも9月半ばも過ぎ、まもなく10月になろうとしていますね。 いかに隣国が理不尽な暴動に荒れ狂っていても、受験生はお勉強が第一・・・・・(゚ー゚)(。_。)(゚-゚)(。_。)ウンウン
というわけで、今回は添削課題16(フェノール)を採点していて気になった「芳香族の示性式の書き方」について簡単にまとめます。ベンゼン環をケクレ式や共鳴構造の式(いわゆる亀の甲羅)を使えば簡単なのですが、フェニル基をC6H5-と表記する場合は、意外と難しいモノですね (゚ペ)?
クメン C6H5CH(CH3)2
過酸化クメン(クメンヒドロペルオキシド) C6H5C(CH3)2OOH
サリチル酸 C6H4(OH)COOH
この示性式だけだと、例えばp-ヒドロキシ安息香酸と区別が付かないので、置換位のオルト(o-)の表記を前に付けたいところですが、置換位は表現しません。ちなみに、サリチル酸はヤナギ(柳 Salix alba)から鎮痛・解熱作用を持つ物質として分離されたので、その名があります。隣接するヒドロキシル基の影響でカルボン酸としては比較的強い酸 (pKa = 2.97) で、そのまま飲むと胃穿孔を起こし腹膜炎の原因となるため、酸性を弱め胃を通過できるようにしたものがアセチルサリチル酸(アスピリン)です。
入試問題では、以上の書き方を特別に指示してくる大学はほとんど無いです。例えば、トリプトファンやヒスチジンの正確な表記は困難ですから・・・
だから、あまりこの書き方に固執せずにケクレ式等を使った示性式で書くことをお薦めします マタネッ(*^-゚)/~Bye♪
7月16日有機化学特講の解答・解説 + 2学期特別授業の告知 [C3J-東大化学 日記]
は(* ̄▽ ̄)ノろぉ(* ̄O ̄)ノ
さて、入試の迫り来る秋。今年も無機化学,有機化学のテスト演習ゼミをやりますよ (≧∀≦)∩」ムキムキ
なお、秋にある主要な模試であるところの
11月17日(土),18日(日) 第2回東大入試実戦(駿台)
とぶつからないように以下の日程で演習ゼミをします (。・_・。)ノ
・10月14日(日) 御茶ノ水 17:00~21:00 化学実戦力強化テストゼミ(①無機化学)
東大他上位校に的を絞った知識プラス溶解平衡等の計算問題など、高難易度な問題をピックアップします。
・11月25日(日) 御茶ノ水 17:00~21:00 化学実戦力強化テストゼミ(②有機化学)
油脂・糖類・アミノ酸・蛋白質までをも含めた構造決定とアミノ酸の電離平衡など、1学期イベント(有機化学の達人養成講座)の発展型だと考えて頂けると良いでしょう。
共に、御茶ノ水教室の視聴覚教室を使う予定ですので、アニメーションを駆使して講義を行っていく予定です。
さて、話題は変わって、以下は7月に渋谷校で実施した「有機化学の達人養成講座~脂肪族・芳香族化合物の構造決定~」の講義問題のうち、時間切れで解説が出来なかった第2問です。
多環式不飽和炭化水素の酸化という面白い題材を扱っていますが、受験生は見慣れない(というより初めての)問題に見えたかもしれません。が、これは東大で出題されたテルペンの問題と同じものです (* ̄∇ ̄)9"
以上、簡潔にまとめましたが、如何でしょうか?
ご質問は各教室でも受け付けています └(´∀`*) (*´∀`)┘
真に必要なのは「人を疑う力」 [C3J-東大化学 日記]
こんにちは~...φ(≧∀≦*)
人を簡単に信用できないことは、「信頼して」と一国の大統領に言いながら約束を果たすことなく引退すると表明した国会議員の席になおも恋々とし続けている鳩ぽっぽで、皆さんも良くお分かり頂けたことでしょう (~ヘ~;)ウーン
「Nobody trust you!You son of a bitch !!」これが世界、並びに日本国内の考えでしょう。
責任を身内にも転換して己だけの考えではないと言ってのける辺りはさすがは民主党の左翼社会主義思想の連中のトップだけの事はある。(YouTubeコメントより)
-------------------------------(産経新聞2012.7.11)]
真に必要なのは「人を疑う力」
先日、ある新聞の投書で、高校の60代の非常勤講師という方の文章を読んだ。
この先生は、福島原発の事故後のマスコミの報道を見聞きするうちに「人間関係は信頼の中にこそ成立する」という「基本的なモラル」が崩れていると感じ、「私たちは人を信じることができない、不幸の中にいるような気がします」と述べておられる。
人間関係が、無条件の信頼のうちに成立すべきものだということはない。初めて会う人の性格は未知なのだから、信頼のしようがない。
外国の多くの町は、ほとんどすべて昔の「城塞(じょうさい)」であった。修道院ですらその外壁は堡塁(ほうるい)になっている。信仰があるのに人を疑うのですか、というのは日本人だげだろう。誰でも無条件に信じていたら、次の瞬間には殺されているのが現実だったのである。
たまたま昨夜、衛星テレビの番組が、アメリカの大統領の生活の内面なるものを報道していたが、その任務とポストの責任には、あらゆる情報、あらゆる「側近」を疑うことも含まれる、というのである。だから彼らは、大学時代からの友達で周りを固めることにもなるらしい。子供たちには、まず簡単に人を善悪で決めず、無責任に信用することをせず、無限に複雑に相手を冷静に観つつ、批判もしながら、同時にさまざまな才能を評価できるような眼力を養ってやらねばならない。知れば知るほど、相手の人間性の奥底が見えてくる場合も多いし、その人の徳が、やがて芳香のように薫ってくるのを感じることもある。信頼もまた常に明確な根拠の上に立つべきなのだ。
私は40年間NGOで働いたが、私の任務は、お金を請求してくる相手を決してそのまま信じないことだった。それで初めてお金が漏れるのを防ぐことができるのである。
結果的には、援助先はほとんど誠実な人たちだったが、深く疑うのはお金を出してくれた人たちに対するNGOを実行するものの義務なのである。今も私は途上国へ医師たちを派遣する仕事をしているが、その任務も、常に自分たちの準備に疑いの目をもって備えるということだ。
飛行機の乗り換え地で、不運にも手術用のメスと糸と針の入った箱が1個積み残されたら、もうプロジェクトは遂行不可能だ。途上国では、預けた荷物が目的地で出てこないことなどいくらでもある。だから裏方は、数十個に及ぶ外科用の備品が一個もなくならずに目的地に着くために、泥棒や、事務上の杜撰(ずさん)さや、あらゆる最悪のケースに備えることで「後方支援」の任務を果たしている。その際必要な才能は、他者を信じず常に最悪を予想して備えるという点に重点が置かれているのである。
原発事故は、むしろ関係者に人を疑う能力が欠けていたから起きたことなのだと思わなければ、次の災害は防げない。
曾野綾子 「透明な歳月の光」より
----------------------(引用終わり)--------------------
講師も同じですね (ー_ー;)ウーン、、、
生徒の「もう分かりました」をうっかり信じて前に進むと、結局分かっていなくて がく。。(´_`||) ってことも・・・・
これは受験生本人にも云えることですヾ(- -;)
自分の「分かった気がする」を信じてはいけません。記述問題でキチンと説明できるようになって、初めて理解していると云えるのです o(*^ー ^*)oにこっ♪
夏休みの受講講座の選定に役立つ一つの指針o(^▽^)o [C3J-東大化学 日記]
才ノヽ∋―_φ(^▽^*)♪
暑くなってきましたね (゜~゜;) そして蒸してきましたね (゚ー゚;A
夏と言えば夏期講習。受験生にとっては欠くべからざるイベントですね(*^0゚)v ィエーイ☆彡
さて、以下のコメントは別の記事のところに頂いたものですが、その記事の内容とはまったく関係なかったので、こちらへ転記してお答えすることとしました(まだ日曜特別講座の案内の記事なら関連性もあったけどねぇ・・・) (-_-)゙ウ-ム
------------------------------(コメント2012.06.19)
こんにちは
僕は高3のSという者なんですが、夏期講習についてC3JAXとC3JBのどちらを取ればいいのか迷っています。
というのも諸事情で両方取ることができないからです。
僕の友達で(梧桐)先生の授業を受けている人は理論の計算とか有機の構造決定の方が生で受けた方がいいと言っていました。
(梧桐)先生は理論&有機か無機だったらどちらを受けた方がいいと思いますか?
どちらがオススメか教えてください!!
---------------(引用終わり)------------------
まず、講座の特性を考えてみましょう (-_-)ウーム
テキスト自体はC3JAと同じですので、各校舎で見本を見せて貰って下さい。カリキュラム的には理論化学の発展問題演習を4日, 有機化学の構造決定を1日の予定です。C3JAXは、テキストの問題以外の「補充演習問題(大問3題程度)」が毎回配布されて演習する形式になります。ただし、そうすると解説時間が足りないので、今年の御茶ノ水のクラスは事前配布にして予習してきて貰おうと考えています(各自が時間を計って解く)。個人的には理論化学を頑張って3日で終え、2日を有機化学の難易度の高い問題にあてたいと考えています。よって、有機化学はさらなる追加問題を用意しています。7月16日の「有機化学の達人養成講座」は、この前哨戦と考えて下さい。様々な基本パターンを解き進め、脂肪族,芳香族の主要パターンをマスターするのが7月16日。C3JAXでは、さらに発展型の複雑な構造決定に挑戦して貰います。だから、C3JAXの後半2日は7月16日とセットで受講して貰いたい(理論が得意な人ならこの2日間だけでもOK)。したがって、無機は扱いません。
完全に無機化学に特化した講座です。5月6日の「無機化学の解体新書~気体の製法・性質・用途」,6月24日の「無機化学の解体新書~錯塩と複塩・イオン分析」は東工大型の出題に対応した知識整理・まとめ講座でしたが、C3JBの前半は、見過ごされがちな周期表各論(族ごとのまとめ)を中心としつつ、東大型の理論計算主体の演習問題を多く扱います。後半は溶解平衡を中心としたイオン分析で、最終日に気体についての総合問題を解きつつ5月6日では扱わなかった内容を取り上げます。
ちなみに、10~11月に昨年同様の無機化学,有機化学のテスト演習講座(1日4~5時間)を予定しており、ここで無機・有機を集大成して貰いたいと思います。昨年度の自己採点の結果では、無機化学,有機化学共に20~50点に多くが団子状態に集まっていて、19点以下の方々が少々、51~90点にパラパラ・・・といった分布でした。ちなみに、梧桐が追跡できた高得点者(J,JX受講生)はいずれも理Ⅲ,慶應医に受かっています ♪(* ̄ω ̄)v
ですから、理論化学の発展系も演習したいのであればC3JAXがお薦めですが、有機化学のためにC3JAXを選ぼうというのであれば秋のテスト演習を受講することにして、夏は無機化学をC3JBで固めてしまうのが良いでしょう。無機化学を独習するのは大変ですから・・・(o ><)o
共に発展型の問題演習になりますが、知識系の比重はC3JBの方が高いです。学校側からすると譴責されそうな意見になりますが、「知識系の多いC3JBは友人に受講して貰って、演習系のC3JAXは自分が受講する。互いのノートを持ち寄って、お互いにそれぞれ受講した内容を教えあう」のであれば、他人に教えることにより復習の効果もグッと上がり一石二鳥ではないですか? (他人に教える必要があるから、互いに得意な分野の方を受講した方が安全かもしれないね)
互いに教えあうのに要する時間は受講時間の数倍は掛かると思いますが、 人に教えることはとても勉強になることなんですから掛けた時間なりのものは得られる筈 (э。э)b 梧桐のイオン分析の技だって、生徒さんに教える(ためには自分が完璧に理解して覚えていないといけないから)必要性に迫られて開発したモノですからね。・:*:・(*´ー`*人)。・:*:・
受講生必見 6月24日実施の無機化学解体新書の問題部です!!_φ(≧ε≦*)♪ [C3J-東大化学 日記]
6月24日,Z会東大マスターコース 新宿校にて無機化学の解体新書~錯塩と複塩,イオン分析~の1日講座があります。 他の公開講座とは異なり4時間の特別授業です。夏の無機集中講座C3JBとは異なり、知識中心の講座です。単なる暗記では上手くいかない上位校の無機化学問題を迅速に解くためのアイディアが満載ですよ ("▽"*)アヒョ
時間限定で、以下に無機化学の解体新書~錯塩と複塩,イオン分析~で扱う予定の演習問題を掲載しますので、受講予定の方は授業開始までに解いておいて下さい(分からないところは読むだけでOKですよ) (ー_ー;)ウーン、、、
上記の一問、阪大の『複塩』の設問が追加になっていますので、目を通しておいて下さいね。
本講座では複塩と錯塩の違いから、錯イオンとその化合物について詳細に解説します。
錯イオンの生成と分解については、錯体生成平衡を使って簡潔に解説します。計算問題は無機集中講座C3JB(新宿・渋谷・御茶ノ水の各校)もしくは夏期講習の選抜演習C3JAX(御茶ノ水校)にて取り扱います。
きわめてベーシックなイオンの系統分離問題ですね (⌒-⌒)ニコニコ...
陰イオンにも系統分離はあるんですよ(゚▽゚*)ニパッ
これはオマケです。何分で解けたかな?
以上の5題を6月24日の無機化学の解体新書~錯塩と複塩,イオン分析~の1日講座までに解いておいて下さいね δ(´へ`●)ウーン…
なお、集団授業を漫然と受けるだけでは受講している意味がありません。講義を録音してそれを聴きながら復習したり、講義内容と同じ箇所を高校の基礎問題集(セミナー化学やリードαなど)を解いていくなど、努力して講義に付いていきましょう。
感覚的にも納得しないと前に進めない人は、納得できるまで先生に質問すること(ただし自分なりに調べるなりして質問すること。何も調べないで質問するのは失礼ですよ。質問にも最低限の礼儀を辨えましょう。こんな質問は言語道断です・・・・φ(。。) イエローカード (;゜゜)ノ□ペタッ)
不勉強での取材の例(毎日放送MBSの記者・斉加尚代(本名 崔尚代)のお馬鹿加減に注目!!)2012.5.8
-----------------(毎日新聞系のスポニチ 20012.5.8)
「答えられないなら来るな」橋下市長 記者相手にヒートアップ
------------(引用終わり)------------
レベルの低い報道機関って、こういう形で仕返しをするからねぇ "o(-_-;*) ウゥム…
それはさておき・・・・
基礎学力が授業を聞いても理解できないほど不足している人は集団授業だけでは成果が出ない可能性が高いです。受講しても何も残らずに無駄に終わってしまうこともあります。それは時間とお金の無駄 (・へ・;;)うーむ・・・・
そういう人は、集団授業の補完として個別指導を受けることをお薦めします。個別指導は単価は高いですが、各人の能力・理解度に沿って指導しますから学習効果は高いと思われます(指導者にキチンとした力量があれば・・・) (゜▽゜*)ニカッ
自分で自習できる集中力がある人なら、勉強の仕方や自習していて分からないところを教えて貰うなど、個別指導をスポットで使えば費用も抑えられて、かつ学習効率がグンと上がりますよ ~(o゜▽゜)o
勉強はお金だけでなく時間も投資しているのですから、時間効率も含めたコストパフォーマンスの良い学習法を選択しましょう。
「オストワルト法」の工業的製法と実験室的製法の違い [C3J-東大化学 日記]
こんにちは~ (*^_^*)/
夏に無機化学講座C3JBで解説しましたが、今回は「オストワルト法(アンモニア酸化法)」の反応を、その装置と照らし合わせてみましょう ★⌒c( ̄▽ ̄)ヨッシャ!
各段階の反応については、この前のブログに詳解しましたので、ここでは簡単に装置をなぞっていきます。
高校などの実験室で実験する場合と、大規模な設備を使って製品として硝酸を製造する工業的な製法とでは、若干の違いがあります。
第一段階のアンモニアの酸化、第二段階の二酸化窒素の生成までは、装置の見かけこそ違いますが役割はどちらも同じです。
違うのは、第三段階の水に溶かすところです。工業的には不純物である亜硝酸の生成を抑えるために熱水を使用するため、熱に対しても不安定な亜硝酸は生成せずに硝酸と一酸化窒素のみ生じます(「  ̄ー ̄) ・・・
実験室で二酸化窒素を冷水に吸収させると、還元性も有する亜硝酸が生成します(もちろん熱水を使えば工業的製法と同じように一酸化窒素と硝酸しかできませんよ) ( ̄ー ̄)ノ" ゜ ポイッ
工業的な装置は、第三段階で生成した一酸化窒素を循環させることで、効率よく硝酸を作ることが出来る点にあります。循環させるのは、ハーバー・ボッシュ法(高圧ガス循環法)もおなじですね(≧∇≦)b 実験室で組んだ上図の装置では、循環させるのはなかなか困難でしょう (-ω-;)ウーン
さて、受験生ともなれば趣味の読書をする時間はなかなか取れないかもしれませんが、イギリスの哲学者フランシス・ベーコンが「知識は力なり」と云っているように、大学入試でも幅広い知識が役立つこともありますヾ(@^▽^@)ノ 科学系の本は、マンガだって役に立つことがありますよ(特に医学部の入試では) (@゚ー゚@)ノ
※ 集団指導で伸び悩んでいる皆さんは個別指導がベストですよ_〆(・・ )
毒ガス開発の父ハーバー 愛国心を裏切られた科学者 (朝日選書 834)
- 作者: 宮田 親平
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 2007/11/09
- メディア: 単行本
陰イオンの検出 [C3J-東大化学 日記]
こんにちは~ (*^_^*)/
前回に引き続き、無機テスト演習の補完です。 11月3日には有機化学のテスト演習(構造決定スペシャル)を行いますのでふるって参加して欲しいですね。
今回は、陰イオンの検出法と分離についてまとめました。講義で投影した映像の一部を交えて、簡単に解説しましょう。
大学入試で出題される陰イオンの主な区別の仕方は以下の通りです。 有色なイオンは水溶液の色から判断できますが、無色透明なイオンは、呈色反応や沈殿などで判別します。
陽イオンの系統分離と同様に、陰イオンにも系統的な分離があります。基本は、バリウムイオンや銀イオンとの沈殿の有無、および生じたバリウム塩の溶解性、銀塩の沈殿の有無による分離ですね。見慣れないので難しく感じるかもしれませんがも、実際には陽イオンの分離実験に比べて、分離に使用する試薬が少なく、(少なくとも入試での出題では)実験操作も簡単ですよ。
一通りの陰イオンを分離させていますが、大学入試で出題されるものだけに絞って分類すると、以下のようになります。
硫酸イオンは、沈殿を生じる陽イオンが少なく、アルカリ土類金属と鉛イオンだけです。水銀イオンや銀イオンとも沈殿を生じません。
クロム酸イオンや二クロム酸イオンは色だけで判別できるでしょう。クロム酸イオンは、2011年慶應義塾大学医学部でも出題されたように、 沈殿滴定で指示薬として使用されることが多いですね。ちなみに、クロム酸塩の沈殿で赤褐色なモノは、銀イオンだけじゃないことを知っていますよね?
炭酸イオンやリン酸イオンは、アルカリ金属を除く大半の金属イオンと沈殿を生じる陰イオンです。 共に弱酸の塩なので、強酸によって弱酸の遊離が起こり溶解します。ちなみにフェノールは炭酸ナトリウム水溶液には発泡せずに溶解することを知っていますよね?
鉄のシアノ錯イオンは有色なので判断しやすいですね。硫化物の基本色は黒なので、沈殿が黒ければ硫化物と考えて良いでしょう(例外は硫化亜鉛など)。ハロゲン化銀の色も頻出なので、しっかりと覚えておきましょう。特にヨウ化銀は、溶解度積が極めて小さいため、過剰アンモニアにもほとんど溶けません。
硝酸塩で水に溶けないモノはない。 だから、陽イオンの系統分離では硝酸塩を使います。そこで、硝酸イオンの検出には、硫酸鉄(Ⅱ)水溶液と濃硫酸を使った褐輪反応による呈色を行います。これについては、次の機会にまとめることにしましょう。
苦手な分野を集中して特訓するには、個別指導とテスト演習の組み合わせが効果的です。短期間で克服したい分野がある方は検討しては如何でしょう。水溶液の色-金属のアクア錯イオン [C3J-東大化学 日記]
こんにちは~ (*^_^*)/
防衛医科大学の入試まであとわずかですね。
今回は、先日開催された無機化学テスト演習ゼミ後に受講生から要望のあったもののうち、イオンの水溶液とアクア錯イオンについて簡単に解説します。
水溶液の色が出題されるイオンのうちの主なモノは、以下の10種です。・クロム(Ⅲ)イオンは、くすんだ緑色のイオンで、ヒドロキソ錯イオンなども緑色になります。二クロム酸イオンもクロム酸イオンも含まれるクロムイオンの価数は6価です。クロム酸イオンは正四面体構造で安定なため、酸化力を持ちません。
・マンガン(Ⅱ)イオンは淡紅色で、塩化マンガン(Ⅱ)などの固体は色が確認できますが、希薄溶液はほとんど無色ですよね(過マンガン酸カリウムを使った滴定での色の変化を思い出しましょう)。過マンガン酸イオンはもちろん赤紫色です。
・鉄(Ⅱ)イオンは淡緑色のイオンで、水酸化物の沈殿も緑白色です。
・鉄(Ⅲ)イオンですが、水溶液の色は塩の加水分解によって生じた水酸化鉄(Ⅲ)の赤褐色によるものだといわれています。
・コバルト(Ⅱ)イオンの水溶液の色は、アクア錯イオンの色ですね。詳しくは後述します。
・ニッケル(Ⅱ)イオンも、アクア錯イオンの色ですね。詳しくは錯イオンの回で説明しますね。
・銅(Ⅱ)イオンは、無水硫酸銅(Ⅱ)が白色粉末であることから分かるように、もともとは無色のイオンですが、ご存じの通り、水に溶けると水分子が配位して青色のテトラアクア銅(Ⅱ)イオンを形成します。硫酸銅(Ⅱ)の五水和物の結晶中では、次のような構造になっています。
加熱によって水分子が脱離するとき、配位子の水(配位水)から取れていくんですよね。センター試験でも実験問題が出題されていますから、確認しておきましょう。
錯イオンをつくるときに、アクセプター(電子受容体)である金属イオンは空っぽの軌道を混成させて、ドナー(電子供与体)である配位子の非共有電子対が入れるように提供します。このとき、d軌道が混成軌道に参加すると、可視光を吸収するようになるため、有色の錯イオンになることが多いようです。
例えば、コバルトやニッケルの錯イオンは正八面体構造で赤や緑の錯イオンになりますし、銅は正方形で青色の錯イオンになります。
それに対して、直線構造の銀や正四面体構造の亜鉛の錯イオンは、d軌道を混成に含まないので無色透明ですよね。
さて、集団授業に限界を感じている受験生の皆さんは、予備校の第一線講師による個別指導で補完するのが、合格への近道ですよ。
2学期のご案内 [C3J-東大化学 日記]
こんにちは~ (*^_^*)/
いよいよ2学期ですね。
Z会東大マスターコースの高3クラスC3J,C3JXは、以下の予定です。
1.15講 油脂 油脂の構造決定 と 混合物(芳香族)の分離
※ 石鹸は27講で化学オリンピックの問題を交えて詳しく解説する
2.16講 環状化合物の歪み, トランス付加,原子の位置関係とNMR法(京大後期),有機化合物の構造決定
※ 10月16日に御茶ノ水で無機化学テスト演習ゼミが、11月3日には有機化学テスト演習ゼミ(脂肪族,芳香族の構造決定-難易度高め)がありますから、奮って参加するようにしませう。 \( ̄▽ ̄*)(* ̄▽ ̄)/
3~4.17~18講 糖類(単糖類,二糖類,多糖類) 構造・性質から構造決定までやりますよ
※ 今年度から高分子関係の授業時間が倍増アニメーションを使って解説します。 p142の京大を解く可能性があります。
5~6.19~20講 アミノ酸・タンパク質(アミノ酸の電離平衡,酵素反応,RNA・DNA,医薬品など)
※ 本当はDNA,RNAの詳説のためには、あと1コマは欲しいところですね。よって、ペプチドの構造決定は27講で掘り下げます
- 作者: JT生命誌研究館 出版社/メーカー: 講談社
- 化学・物理選択の人には、ぜひ見て頂きたい。物理選択だと、ほとんど高校では触れることがない分野だけに、こういったもので予備知識を身に付けておくことは決して無駄ではないと思う。気分転換にもなるし、最近のくだらない情報統制の入ったTV番組を見ているより2万6千倍はマシ。
7~8.21~22講 合成高分子 (重合反応,イオン交換樹脂)
9.23講 結晶(イオン結晶と酸素ポンプ,氷の結晶) ,アルゴン ,ヘンリーの法則
10.24講 溶解度積(グラフ問題),キエルダル法(窒素の定量とメラミン牛乳)
※ Made in China と言えば偽造食品(偽装ではない)ですよねヾ(@゜▽゜@)ノ
11.25講 リチウム電池(リチウム一次電池とリチウムイオン電池),電気分解, 二クロム酸カリウムの生成
12.26講 無機化学(製鉄-熱化学の問題,化合物の成分分析)
13.27講 石鹸 (鹸化,塩析と遊離,クラフト点,ミセルコロイド)
14.28講 ペプチドの構造決定 ヘモグロビンと酸素(本来は27講ですがこっちでやります)
※ 後半も知識面の補充は、バシバシ行っていく予定です。d[ゝc_,・*] プロジェクターもフル活躍です
集団授業がキツイ皆さんは、個別指導が良いでしょう。必要な分野,苦手なところを丁寧に教えて欲しい分野,長ハイレベルな内容まで教えて欲しい分野などは、個別指導を利用するのも、一つの手ですよ。
2学期は、色々な知識が繋がって、学力がパーンとはじける感じに伸びる時期です。
○゜*:..ガンヽ(▽`*)(*´▽)ノバレ..:*゜○
夏の学習 [C3J-東大化学 日記]
こんにちは~ (*^_^*)/
いよいよ夏ですね。
「夏休みにどんな勉強をしたら良いでしょう」という質問が多いので、今回は夏にやるべき事を考えてみましょう。
1つ注意すべき点は、夏に過度の期待をしてはいけないということです。
・夏休みは高校も無く、自由な時間がいっぱいある。だから、いろんな事ができる」と夏に過度な期待をしている人が多いようですね。
でも、「夏休み=魔法の時間」ではありません。
「勉強時聞が増える」のはライパルも同じです。。
皆が同じだけ学力を上げたとすれば、模試の偏差値はほとんど動かないでしょう。
だからと云って、「ライバルと違うことをすれば良い」とばかりに、手を広げすぎて消化不良になり失敗する人が多いのです。そこで、
・夏休みに自分で出来ること = 「一学期の復習」+「夏期講習の予習・復習」
まずは、これをしっかりやることです。特に、不得意分野は、同種の問題を徹底的に反復することが重要です。いくら先生から説明を聞いたり、解説を読んだりして分かった気になっても、実際に何度も問題を解かないことには、身につきません。模試や入試本番で問題が解けないのです。「分かった」けど「問題が解けない」分野ほど、徹底して反復練習しましょう。
・夏休みに力を借りること = 「予備校の講習会」や「個別指導」の有効活用
自分だけで理解を深めることや苦手分野を克服することは手間と時間がかかり、時間が限られた受験生にとっては大きな負担です。
そこでお薦めしたい
のが、予備校や個別指導の上手な活用です。
予備校などの集団授業 = ある程度 型にはまった勉強のできる人 向けです。
注意したいのは、授業について行けなくて、お客さんになっていないかどうかです。
お客さんになっているなら、それは時間の無駄です。
先生に分かるまで質問するか、少人数制クラスや個別指導に移るべきです。
少人数制塾などの小規模授業 = コストを抑えながら指導をして欲しい人 向けです。
友達と一緒に受講すれば、互いに良きライバルとして伸びていくことができます。
小規模塾は、その指導実績で選ぶと良いでしょう。
個別指導・家庭教師 = 不得意分野,飛び抜けた得意分野を勉強したい人 向けです。
授業単価は高くなりますが、他人と進度を合わせる必要がないため、無駄が少ないです。
特に不得意分野は、1から手ほどきして欲しいモノ。
しかし、集団授業ではそんな贅沢は許されません。
個別指導の良い点は、分野ごとに受講することも可能だという点です。
個別で重要なのは、その個別指導教室の実績と先生との相性ですね。
個別指導教室でも、巡回型と云われるタイプの廉価版だと、つきっきりでは教えてくれないので、注意が必要です。
とにかく、夏を有意義に使うために、計画を立てて悔いの無いように過ごして下さいね。やり残したことがあるからと云って、何度も繰り返したりはできないのですから・・・・・
ちなみに、梧桐も夏は化学の個人指導や少人数クラス(2~6名)を行います。ちなみに、昨年度の受講生は5名で、実績は東大理Ⅲ,慶應医,千葉大医(後),日医,杏林,順天,早稲田,防衛医×2(合格率100%)でした。